【企業所得税】刑罰や行政罰の『罰金』に関する損金算入①

更新日:2021年8月28日

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【企業所得税】刑罰や行政罰の『罰金』に関する損金算入①


 上海市税務局のWeChat公式アカウントに、刑罰上の罰金(中国語で『罰金』)並びに行政罰上の罰金(中国語で『罰款』)について損金算入が可能かどうかの解説がありましたので、2回に分けて紹介いたします。今回は全2回の内、1回目になります。



目次:
1,法律や行政法規に違反する場合
2,生産や経営に関する場合


1,法律や行政法規に違反する場合

 

結論:

 法律や行政法規の違反行為について、企業所得税の損金算入は認められません。加算調整を行う必要があります。

 法律や行政法規の違反行為には刑罰上の罰金と行政罰上の罰金があり、具体的には以下の通りです。



  • 刑罰上の罰金とは?

 裁判所が犯罪を起こした者に一定の金額を国に納めるよう判決を処す刑罰の方法で、財産刑の一種です。中国の刑法では追加の刑罰の一種です。



 例:

  1.  企業が『虚偽の増値税専用発票を発行したことによる罪』で罰金刑に処される



  • 行政罰上の罰金とは?

 行政主体が法定の権限と手続きに基づいて、行政上の法規範に違反するが犯罪とまではいえない者に対して行政上の制裁を科す行政行為で、行政処罰の一種です。中国語では『罰款』と言います。



例:

  1. 企業が規定に従わずに申告や納税を行わなかったために、税務局に支払う罰金

  2. 税金を過少申告したために、税務局に支払う罰金および延滞金

  3. 消防設備を維持しなかったために、消防団に支払う罰金

  4. 企業などの機関の運転手が交通違反をしたために、交通警察に支払う罰金

  5. 関連規則制度に違反したために、工商部門に支払う罰金

  6. 増値税発票を紛失した際の手続きにより発生した罰金

  7. その他、関連法律や法規の違反したために、支払う罰金など

※上記1~7の罰金は、中国語原文では全て『罰款』になります。敢えて『罰金』で訳しています。



根拠:

『中国企業所得税法』(主席令第六十三号)第十条より、課税所得額を計算する際、以下の支出は控除してはならない。

(一)投資者に支払う配当収入、所得利益配分などの権益性の投資収益額 

(二)企業所得税

(三)税金の延滞金

(四)罰金や罰款及び財産の没収による損失

(五)本法第九条に規定されている以外の寄付金支出

(六)スポンサー支出

(七)未承認の準備金支出

(八)収入と無関係なその他支出



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