刑法上の『脱税』について
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刑法上の『脱税』について

更新日:2021年8月29日

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

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刑法上の『脱税』について


 前回は税法上の『脱税』は刑事責任の追及があることを紹介しましたが、今回は刑法上の『脱税』にどのような罰則を処すのかについて解説いたします。


 刑法上の根拠法は「中華人民共和国刑法」(主席令第30号、全国人民代表大会制定)です。余談になりますが、刑法では『脱税』を『逃税罪』と名付けており、元々は租税法の『偸税』と同じ字を用いていたようですが、『偸』の意味が『盗む』という意味を含んでいるため実際の税逃れの行為と即していないことから『逃税』へと修正したようです。


 「中華人民共和国刑法」第二百一条では、「脱税」を下記の通りに定めています。

納税者が欺騙や隠匿の手段を用いて虚偽の税務申告を行う或いは申告しないこと。

 納税逃れの金額が比較的大きく且つ納付すべき税額の10%以上を占める場合、三年以下の懲役刑、加えて罰金を処す。

 納税逃れの金額が巨大且つ納付すべき税額の30%以上を占める場合、三年以上七年以下の懲役刑、加えて罰金を処す。


源泉徴収義務者が既に源泉徴収した税金を前述の手段(欺騙や隠匿)を用いて不納付或いは過少納付し、金額が大きい場合は、前述に準じ処罰する。



●前述の納税者による脱税行為と源泉徴収義務者による脱税行為を何回も行い、かつ未処理の場合は、累計額で計算する。



初回行為で、税務機関が法により追納通知を出した後、納付すべき税額を追納し、延滞金を納税し、行政処罰を受けた場合は、刑事責任を追及しないとする。ただし、五年以内に脱税をしたため刑事処罰を受けた或いは税務機関から2回以上の行政処罰をあたえられたものは除く。


 刑法では初回行為は速やかに対応すれば刑事責任までは発展しないようですが、やはり繰り返し行う悪質な者に対しては厳しく処罰するようです。しかしながら、今回巨額の脱税を起した中国の人気女優ファン・ビンビンに至っては、今年復帰作の映画がクランクインしているため、実際にどこまで処せられるかは良くわからないところです。

 

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