【企業所得税】貸倒引当金等の各費用に関する損金不算入②
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【企業所得税】貸倒引当金等の各費用に関する損金不算入②

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

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【企業所得税】貸倒引当金等の各費用に関する損金不算入②


 上海市税務総局のWeChat公式アカウントに、貸倒引当金をはじめとする、4種類の費用に関わる損金不算入の解説と参考例がありましたので紹介いたします。今回は全2回の内、2回目です。



目次:
3、未払の従業員教育費の損金算入について。
4、未払の福利費の損金算入について。


3、未払の従業員教育費の損金算入について。

【解説】

 1.『企業所得税法』第八条において、企業に実際に発生した費用で売上に関連する合理的な支出は、課税所得額の計算時に損金算入を認めると規定しています。

 2.『企業所得税法実施条例』第四十二条及び『企業従業員教育経費の税前控除政策に関する通知』(財税【2018】51号)において、企業に発生した従業員教育費のうち賃金給与総額の8%まで損金算入することができ、賃金給与総額の8%を超過した部分は翌年以降に繰越して損金算入できることを認めると規定しています。

 以上より、従業員教育費の計上はしていても実際に発生し且つ支払っていない場合、損金不算入できません。



 『企業所得税法』第八条、企業に実際に発生した売上の獲得に関連する原価、費用、税金、損失およびその他を含む合理的な支出は、課税所得額の計算時に損金算入を認める。



 『企業所得税法実施条例』第四十二条、 国務院の財政、税務主管部門が別途規定する場合を除き、企業に発生した従業員教育費の支出のうち、賃金給与総額の2.5%までを損金算入することができ、超過分については翌年以降に繰越して損金算入することを認める。



 『企業従業員教育経費の税前控除政策に関する通知』、賃金給与総額の8%を超えない部分は、企業所得税の課税所得額の計算時に損金算入することができ、賃金給与総額の8%を超過する部分は、今後の課税年度で繰越して損金算入することを認める。

 ※ 『企業所得税法実施条例』の後に公表された通知で、当該通知が優先適用されます。



【参考例】

 C社は2021年に従業員教育費として60万元の引当金を計上していましたが、実際には使用してなかったため損金算入できません。従業員教育費は企業に実際に発生した支出のみ賃金給与総額の8%まで損金算入できます。



関連記事:

 
4、未払の福利費の損金算入について。

【解説】

  『企業所得税法実施条例』第四十条において、企業が支払った福利費のうち、賃金給与総額の14%を超えない部分について損金算入を認めることを規定しています。

 以上より、計上していても実際には発生していない福利費は損金算入できません。



 『企業所得税法実施条例』第四十条、企業が支払った従業員福利費のうち、賃金給与総額の14%を超えない範囲で損金算入を認める。


【参考例】

 D社は2021年に60万元の従業員福利費を計上していましたが、実際には関連費用を支払っていなかったため損金算入できません。

 

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