中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。
当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。
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【企業所得税】貸倒引当金等の各費用に関する損金不算入①
上海市税務総局のWeChat公式アカウントに、貸倒引当金をはじめとする、4種類の費用に関わる損金不算入の解説と参考例がありましたので紹介いたします。今回は全2回の内、1回目です。
目次:
1、貸倒引当金の損金算入について。
2、未払の労働組合費の損金算入について。
1、貸倒引当金の損金算入について。
【解説】
『中国企業所得税法』第十条の(七)において、未承認の引当金を損金算入してはならないと規定しています。
また、『企業所得税法実施条例』第五十五条において、 『中国企業所得税法』第十条の(七)が指す未承認の引当金とは、国務院財政局や税務局の規定に沿わない資産減損引当金やリスク引当金などの引当金としています。
以上より、税務局により承認されていない貸倒引当金の損金算入は認められていません。
『中国企業所得税法』第十条、課税所得を計算する際、以下の費用は控除してはならない。
(一)投資者に支払った株式利子、配当金等の権益性投資収益
(二)企業所得税税額
(三)税収滞納金
(四)罰金、罰則および財産の没収による損失
(五)本法第九条に規定されている以外の寄付金支出
(六)賛助支出
(七)未承認の引当金
(八)収入の獲得に関連しないその他支出
【参考例】
A企業は2021年末に多額かつ長期の売掛金残高があり、2021年に100万元の貸倒引当金を計上しました。しかし損金算入が認められないため、確定申告時に加算調整する必要があります。
2、未払の労働組合費の損金算入について。
【解説】
『企業所得税法実施条例』第四十一条において、企業が支払った労働組合費のうち、賃金給与総額の2%を超えない範囲で損金算入できることを規定しています。
さらに、『工会経費の企業所得税税前控除の根拠問題に関する公告』(国家税務総局2010年第24号公告)の第一条において、2010年7月1日以降、企業が支払った労働組合費のうち、賃金給与総額の2%を超えない範囲について、労働組合組織が発行する「労働組合費収入専用領収書」に基づき損金算入を認めることを規定しています。
また、『税務機関が代理徴収する工会経費の企業所得税税前控除の根拠問題に関する公告』(国家税務総局2011年第30号公告)において、2010年1月1日以降、労働組合費の徴収が税務当局に委託されている地域では、企業が支払った労働組合費は、合法かつ有効な労働組合費の代理徴収領収書に基づいて損金算入することが認められています。
以上より、未払の労働組合費の損金算入は認められていません。
『企業所得税法実施条例』第四十一条、企業が支払った労働組合費のうち、賃金給与総額の2%を超えない範囲で損金算入を認める。
【参考例】
B企業は、2021年に60万元の労働組合費を計上していましたが、実際は全額支払っていませんでしたので、損金算入が認められませんでした。
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