上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。
当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。
当ブログが、皆さまの中国子会社の財務面のサポートに繋がったり、また中国での販路拡大に少しでも役立つようでしたら幸いです。
【印紙税】中国国外で締結された契約書は、印紙税を納付する必要があるか?
上海市税務局の微信公式アカウントに、中国国外で締結された契約書について印紙税の納付が必要かどうか、印紙税の納付が必要なケース、どのように納付すべきか等の解説がありましたので紹介いたします。
関連記事:
目次:
Q1:中国国外で締結された契約書は、印紙税を納付する必要がありますか?
Q2:中国国外の組織または個人が、中国国内で使用される課税文書の締結を行った場合、どのように印紙税を納付しますか?
Q3:中国国外で締結され、かつ中国国内で使用される課税文書について、印紙税を納付するケースを教えてください。
Q4:印紙税の課税文書に記載されている金額が人民元以外の通貨である場合、印紙税の課税標準はどのように決定しますか?
Q1:中国国外で締結された契約書は、印紙税を納付する必要がありますか?
A1:「中華人民共和国印紙税法」第一条より、事業者や個人が中国国外で締結された課税文書を中国国内で使用する場合、本法の規定に従って印紙税を納付する必要があります。
MTAC加筆:国内企業(居住者企業)や国内在住者(居住者)だけではなく、もう一方の契約当事者である国外企業(非居住者企業)や国外在住者(非居住者)も印紙税を納付する必要があります。
Q2:中国国外の組織または個人が、中国国内で使用される課税文書の締結を行った場合、どのように印紙税を納付しますか?
A2:『「中華人民共和国印紙税法」等の実施に関する国家税務総局の公告』(2022年第14号)第一条第(4)項より、以下の通りです。
①納税者が中国国外の組織または個人であり、中国国内に代理人がいる場合、その国内代理人が源泉徴収義務者として規定に基づいて印紙税を源泉徴収し、代理人の所在地(または居住地)の所轄税務局で納付する必要があります。
②納税者が中国国外の組織または個人であり、中国国内に代理人がいない場合、納税者自ら印紙税を申告納付する必要があり、資産の引渡し場所や国内のサービス提供者または受領者の所在地(居住地)または国内の課税文書作成者の所在地(居住地)の所轄税務局で納付する必要があります。
③不動産の所有権移転に関する場合、不動産の所在地の所轄税務局で納付する必要がありま
す。
MTAC加筆:なお以上より、国内企業や居住者が、契約のもう一方の当事者である非居住者企業や非居住者のために印紙税を源泉徴収し納付する必要はありません。
Q3:中国国外で締結され、かつ中国国内で使用される課税文書について、印紙税を納付するケースを教えてください。
A3:以下の通りです。
1.課税文書の対象が不動産であり、その不動産が中国国内に存在する場合。
2.課税文書の対象が株式(または持分)であり、それが中国国内企業の株式(または持分)である場合。
3.課税文書の対象が動産、商標権、著作権、特許権、ノウハウ使用権であり、その売主または買主が中国国内内にいる場合。但し、中国国外の事業者または個人による中国国内の事業者または個人に対する売却で、かつ中国国外で完全に使用される動産、商標権、著作権、特許権、ノウハウ使用権は含まれません。
4.課税文書の対象がサービスであり、その提供者または受領者が中国国内にいる場合。ただし、中国国外の事業者または個人による中国国内の組織または個人に対するサービスの提供で、かつ完全に中国国外で行われるものは含まれません。
Q4:印紙税の課税文書に記載されている金額が人民元以外の通貨である場合、印紙税の課税標準はどのように決定しますか?
A4:「印紙税の一定の事項に関する政策の実施についての財政部及び国家税務総局の公告」 (財政部及び国家税務総局2022年第22号公告)第三条第(5)項より、課税文書に人民元以外の通貨が用いられている場合、 当該文書が締結された日の人民元為替レートの仲値で人民元に換算し課税標準を決定します。
【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。
●月次での記帳代行
●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック
●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査
顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
Comments