【印紙税】中国国外で締結された契約書は、印紙税を納付する必要があるか?
- ohtashmtac
- 2023年1月17日
- 読了時間: 4分
更新日:11月21日
上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。
当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。
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中国印紙税の基礎知識をQ&A形式でわかりやすく解説します。
国外で締結された契約書に対する課税の条件、中国国外の企業による納税方法、課税対象となる契約の具体例、外貨建て契約書の換算ルールなど、実務に役立つポイントを整理しています。
目次:
Q1:中国国外で締結された契約書にも、印紙税を納付する必要がありますか?
Q2:中国国外の組織または個人が、中国国内で使用される課税文書を締結した場合、どのように印紙税を納付すべきですか?
Q3:中国国外で締結され、かつ中国国内で使用される課税文書について、印紙税を納付すべきケースを教えてください。
Q4:印紙税の課税文書に記載されている金額が人民元以外の通貨である場合、印紙税の課税標準はどのように決定されますか?Q1:中国国外で締結された契約書にも、印紙税を納付する必要がありますか?
A1:「中華人民共和国印紙税法」第1条により、組織や個人が中国国外で締結した課税対象の契約書であっても、それを中国国内で使用する場合には、同法の規定に基づき印紙税の納付が必要です。
【MTAC補足】印紙税の納付義務は、契約の相手方が中国国内の企業(居住者企業)または個人(居住者)である場合に限りません。国外の企業(非居住者企業)や国外に居住する個人(非居住者)であっても、契約書が中国国内で使用される限り、印紙税の納付義務が生じます。
Q2:中国国外の組織または個人が、中国国内で使用される課税文書を締結した場合、どのように印紙税を納付すべきですか?
A2:『「中華人民共和国印紙税法」等の実施に関する国家税務総局の公告』(2022年第14号)第1条第4項に基づき、以下のとおり定められています。
① 国外に所在する組織または個人に中国国内の代理人がいる場合:その代理人が印紙税の源泉徴収義務者となり、所定の方法で印紙税を徴収・納付します。納付先は、代理人の所在地(または居住地)を管轄する税務局です。
② 中国国内に代理人がいない場合:納税者自身が印紙税を申告・納付する義務を負います。この場合、納付先は以下のいずれかを管轄する税務局です。
資産の引渡し場所
中国国内のサービス提供者または受領者の所在地(居住地)
課税文書の締結者(または作成者)の所在地(居住地)
③ 不動産の所有権移転が関係する場合:その不動産が所在する地域を管轄する税務局で納付する必要があります。
【MTAC補足】上記により、中国国内の企業や居住者が、契約の相手方である非居住者企業または個人のために印紙税を源泉徴収して納付する義務はありません。
Q3:中国国外で締結され、かつ中国国内で使用される課税文書について、印紙税を納付すべきケースを教えてください。
A3:以下のいずれかに該当する場合、たとえ契約書が中国国外で締結されたとしても、中国国内で使用されることで印紙税の納付義務が生じます。
課税文書の対象が不動産であり、その不動産が中国国内に存在する場合。
課税文書の対象が持分であり、それが中国国内の企業に関するものである場合。
課税文書の対象が動産、商標権、著作権、特許権、ノウハウ使用権であり、売主または買主のいずれかが中国国内に所在する場合。 ※ただし、中国国外の企業や個人が中国国内の企業や個人に対してこれらを販売する場合でも、その使用が完全に中国国外で行われる場合には課税対象外となります。
課税文書の対象がサービスであり、その提供者または受領者が中国国内に所在する場合。 ※ただし、中国国外の企業や個人が中国国内の組織や個人に対して提供するサービスであっても、その提供が完全に中国国外で行われる場合には課税対象外となります。
Q4:印紙税の課税文書に記載されている金額が人民元以外の通貨である場合、印紙税の課税標準はどのように決定されますか?
A4:「財政部・税務総局による印紙税に関する若干の事項についての政策実施に関する公告(財政部及び国家税務総局2022年第22号公告)第3条5項によれば、課税文書に人民元以外の通貨が記載されている場合、その文書が締結された日における中国国家外貨管理局が公表する人民元の基準為替レート(仲値)を用いて、人民元に換算し、その金額を課税標準として印紙税額を算定します。

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