【印紙税】中国印紙税法の参考訳
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【印紙税】中国印紙税法の参考訳

更新日:2022年8月25日

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

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【印紙税】中国印紙税法の参考訳

 2021年6月10日、第13期全国人民代表大会常務委員会第29回会議にて『中華人民共和国印紙税法』が採択され、2022年7月1日から施行されます。同時に、1988年8月6日に国務院が公布した『中華人民共和国印紙税暫定条例』は廃止されます。

 『中華人民共和国印紙税法』の参考訳を掲載しますので、ご覧いただけますと幸いです。



【参考訳】

第一条 中華人民共和国の国内で課税文書の作成や、証券取引を行う組織および個人は、印紙税の納税者となり、本法の規定に従って印紙税を納付するものとする。

 中華人民共和国の国外で作成された課税文書を中華人民共和国の国内で使用する組織および個人は、本法の規定に従って印紙税を納付するものとする。



第二条 本法でいう課税文書とは、本法に添付されている『印紙税の税目及び税率表』に記載されている契約書、所有権移転文書および営業帳簿をいう。



第三条 本法でいう証券取引とは、法律によって設立された証券取引所や、国務院が承認したその他の国家証券取引所で取引される株式および株式をベースとした預託証券の譲渡をいう。

 証券取引にかかる印紙税は、証券取引の譲渡人に課税され、譲受人には課税されない。



第四条 印紙税の税目や、税率は、本法に添付されている『印紙税の税目及び税率表』に基づいて実施する。



第五条 印紙税の課税標準は次のとおりとする。

(一) 課税対象となる契約書の課税基準は契約書の記載金額であり、記載されている増値税の税額は含まない。

(二) 課税対象となる所有権譲渡証書の課税標準は所有権譲渡証書の記載金額であり、記載されている増値税の税額は含まない。

(三) 課税対象となる営業帳簿の課税標準は、帳簿に記録されている払込資本金(資本金)と資本剰余金を合計した額とする。

(四) 証券取引の課税標準は、その取引金額とする。



第六条 課税契約書や、所有権移転登記書類に金額が記載されていない場合、印紙税の課税標準は、実際に決済された金額に基づいて決定するものとする。

 課税標準を前項の規定に従って決定できない場合、契約書や、所有権移転登記書類が作成された時点での市場価格に基づいて決定するものとする。

 政府価格または政府指導価格が法律に従って実施されるべき場合は、国の関連規定に従って決定するものとする。



第七条 証券取引の譲渡価格がない場合、譲渡登記を行った前取引日の有価証券の終値により課税標準を決定する。

終値がない場合には、有価証券の額面金額により、課税標準を決定するものとする。



第八条 印紙税の納付すべき税額は、課税標準に適用税率を乗じて算出する。



第九条 同一の課税文書に2つ以上の税目が含まれており、その金額が個別に記載されている場合には、各税目に適用されるそれぞれの税率に従って納付すべき税額を個別に計算するものとする。

 金額が個別に記載されていない場合には、高い方の税率を適用するものとする。



第十条 同一の課税文書が2人以上の当事者によって作成された場合、納付すべき税額は関係する各々の金額に基づいて個別に計算するものとする。



第十一条 印紙税納付済みの営業帳簿について、翌年度以降に記載された払込資本金(資本金)と資本剰余金の合計額が、印紙税納付済みの払込資本金(資本金)と資本剰余金の合計額よりも増加している場合、納付すべき税額は増加した部分に基づいて計算するものとする。



第十二条 印紙税が免除される証書は次のとおりとする。

(一) 課税文書の副本または抄本。

(二) 免税措置を与えられた外国の駐中国大使館、領事館及び国際機関の駐中国代表所が、法律の規定に基づき建物を取得するために作成する課税文書。

(三) 中国人民解放軍や中国人民武装警察部隊が作成する課税文書。

(四) 農家、自営農家、農業協同組合、農村集団経済組織及び村民委員会が農業に関わる資材や設備の購入または農産物の販売について作成する売買契約書や農業保険契約書。

(五) 無利息または割引利息の融資契約書や国際金融機関が中国に優遇融資を実施するために作成する融資契約書。

(六) 財産の所有権者がその財産を政府、学校、社会福祉施設、慈善団体に寄付するために作成する所有権譲渡証書。

(七) 非営利の医療衛生機関が医薬品または衛生資材を購入するために作成する売買契約書。

(八) 個人が電子商取引事業者と締結する電子注文書。


 国務院は、国民経済と社会発展の必要性に応じて、居住者の住宅ニーズの保障、企業の再編や破産、小規模企業(小型微型企業)の発展支援などに対して印紙税の減額または免除を規定することができ、全国人民代表大会常務委員会に報告して記録に残すことができる。



第十三条 納税者が組織の場合は、その所在地の管轄税務局に申告し印紙税を納付するものとする。

 納税者が個人の場合は、課税文書の作成地または納税者の居住地の管轄税務局に申告し印紙税を納付するものとする。

 不動産の所有権が譲渡された場合、納税者は不動産が所在する場所の管轄税務局に申告し印紙税を納付するものとする。



第十四条 納税者が国外の組織または個人の場合、国内に代理人がいる場合は、国内の代理人が源泉徴収義務者となる。

 国内に代理人がいない場合は、納税者が自ら印紙税を申告し納付しなければならず、その具体的な方法は国務院管轄の税務局が規定する。

 証券登録決済機関は証券取引にかかる印紙税の源泉徴収義務者であり、その機関が所在する場所の管轄税務局に、銀行が決済した利息と印紙税を申告納付するものとする。



第十五条 印紙税の納税義務発生日は、納税者が課税文書を作成または証券取引を完了した日とする。

 証券取引にかかる印紙税の源泉徴収義務の発生日は、証券取引が完了した日とする。



第十六条 印紙税は、四半期ベース、年次ベース、または経常的に課税される。

 四半期または年次ベースで課税される場合、納税者は四半期または年度の終了日から15日以内に申告納税するものとする。

 経常的に課税される場合、納税者は納税義務が発生した日から15日以内に申告納税するものとする。

 証券取引にかかる印紙税は週単位で納付する。

 証券取引にかかる印紙税の源泉徴収義務者は、毎週末から5日以内に、銀行が決済した利息と印紙税を申告納付するものとする。



第十七条 印紙税は、印紙の貼付または法令に基づき税務局が発行する納税証明書による方法を採用し納付とすることができる。

 印紙が課税文書に貼付されている場合、納税者は、各印紙に割印をすることで消印を行うものとする。

 印紙は、国務院傘下の税務局が監督し製造する。



第十八条 印紙税は本法および『中華人民共和国徴税管理法』の規定に基づき、税務局が徴税や管理するものとする。



第十九条 納税者、源泉徴収義務者、税務局およびその職員が本法の規定に違反した場合、『中華人民共和国徴税管理法』および関連法律や、行政法規の規定に基づき、法的責任を追及されるものとする。



第二十条 本法は2022年7月1日から施行される。同時に、1988年8月6日に国務院が公布した『中華人民共和国印紙税暫定条例』は廃止される。


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