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【企業所得税】四半期予定申告書の読み方

中国では四半期ごとに企業所得税の予定申告があります。今回は企業所得税の予定申告書をチェックする際に押さえておきたい3つのポイントを紹介いたします。

ポイント1、利益総額
利益総額とは、日本の会計用語に照らし合わせると「税引前当期純利益」に該当します。売上高から売上原価と販売費用、管理費用、財務費用を差し引き、営業外収入と営業外支出を足し引きした金額のことを中国では「利益総額」と言います。
企業所得税の予定申告書の1列目が売上高、2列目が売上原価であることから、3列目は売上総利益ではと思いたくなりますが利益総額の金額です。
企業所得税の予定申告書のチェックにおいて、この利益総額と損益計算書(P/L)の利益総額の金額が一致していることを確認します。一致していない場合は内容を精査し修正をします。

ポイント2、過年度繰越欠損の補填
企業所得税の予定申告書のチェックにおいて、当期が黒字かつ過年度に繰越欠損がある場合は、繰越欠損が補填されているかを確認します。なお、eTAXではシステムにより自動的に補填されるようになっています。ただし第一四半期申告は、前期の企業所得税の確定申告が完了していないことから欠損金が確定していないため、システムにより繰越欠損の補填ができないようになっていますので注意が必要です。繰越欠損の補填は、一般的には第二四半期以降にできるようになっています。

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ポイント3、納付すべき企業所得税額
企業所得税の予定申告書のチェックにおいて、当期に納付(還付)すべき企業所得税額が生じているかどうかを確認します。
原則の企業所得税率25%で企業所得税額を計算します。自社が小規模事業者の要件に該当する場合は、企業所得税率が20%減免される優遇政策が適用されます。優遇政策を適用するにあたり届け出は必要ないため、予定申告書の作成時に直接適用します(13列目、13.1列目)。
16列目は当期に納付(還付)すべき企業所得税額で、12列目の納付すべき企業所得税額から13列目の企業所得税の減免額や14列目の当期に実際に納付した企業所得税額を差し引いた後の金額がゼロよりも大きい場合はその金額を当期に納付すべき企業所得税額として納付し、ゼロよりも小さい場合は過大納付になるため還付されます。なお還付は、別途還付申請が必要です。

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