【企業所得税】中国の繰越欠損金と繰越期間
- ohtashmtac
- 2024年1月20日
- 読了時間: 5分
更新日:2025年12月18日
こんにちは。上海MTACおよび合同会社MTACジャパンの太田です。
このブログでは、中国における会計・税務・労務の規定や実務について、わかりやすく解説しています。中国現地法人の財務管理のご参考として、また中国での販路拡大の一助となれば幸いです。

目次
✅1、中国の繰越欠損金について
✅2、欠損金の繰越期間の種類
✅3.① 欠損金の繰越期間(5年間)の詳細
✅4.② 欠損金の繰越期間(8年間)の詳細
✅5.③ 欠損金の繰越期間(10年間)の詳細✅1、中国の繰越欠損金について
繰越欠損金とは、企業所得税額の計算にあたり、翌事業年度以降の利益(所得)から差し引くことができる赤字額のことをいいます。この税務上の赤字を欠損金といい、そのうち翌期以降に繰り越すことが認められているものを繰越欠損金と呼びます。
企業所得税は、利益(所得)が発生した場合にのみ課税される税金です。そのため、欠損金が生じている期間については、企業所得税の納付は発生しません。
なお、中国には、日本の税制度にあるような、**赤字であっても支払い義務が生じる「均等割」**の制度はありません。
※均等割:赤字であっても、地方自治体に対して一定額を納付しなければならない法人税の制度(日本の税制度)。
均等割の制度についての詳細は、総務省の公式サイトをご参照ください。https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_08.html
✅2、欠損金の繰越期間の種類
中国では、企業の区分によって欠損金の繰越期間が異なります。原則としては、『中国企業所得税法』第十八条の規定により、5年間の繰越期間が適用されます。
ただし、一定の条件を満たす企業については、8年間または10年間の繰越が認められる場合があります。これらの特例を適用するためには、対象企業に該当することに加え、所定の要件や申請手続きが必要となります。
対象企業と欠損金の繰越期間は、以下のとおりです。
① 対象企業
特殊な規定を除き、通常の営業活動を行っている一般企業
欠損金の繰越期間
5年間
② 対象企業
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた困難な産業に属する企業、
映画産業に従事する企業
欠損金の繰越期間
8年間
③ 対象企業
ハイテク技術企業および科学技術型中小企業
欠損金の繰越期間
10年間
✅3.① 欠損金の繰越期間(5年間)の詳細
◆ 対象企業
特殊な規定を除き、通常の営業活動を行っている一般企業
企業の事業年度において発生した欠損金は、翌事業年度以降に繰り越すことができ、その後に生じた企業所得税の課税所得から控除することが認められています。
ただし、欠損金の繰越期間は最長5年間とされており、5年を超えて繰り越すことはできません。
📖 根拠規定『中国企業所得税法』第十八条
✅4.② 欠損金の繰越期間(8年間)の詳細
◆ 対象企業(一)
新型コロナウイルスの影響を比較的大きく受け、操業が困難となった企業
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた困難な産業に属する企業については、 2020年度に発生した欠損金に限り、繰越期間の上限が5年から8年に延長されました。
困難な産業に属する企業とは、以下の要件を満たすものをいいます。
(1)対象業種交通運輸業、飲食業、宿泊業、観光業(※観光業は、旅行代理店および関連サービス業、観光地経営業を含む)具体的な業種の判断は、現行の『国民経済業種分類』を基準として行います。
(2)売上高要件2020年度における主要売上高が、収入総額(不課税収入および投資収益を除く)の50%以上を占めていること。
(3)申告手続当該政策を適用する場合、2020年度の企業所得税確定申告時に、電子税務局を通じて「繰越欠損年限延長政策適用の声明(适用延长亏损结转年限政策声明)」を提出する必要があります。
📖 根拠規定『新型コロナウイルス防疫支援に関連する税収政策に関する公告』(財政部・税務総局公告2020年第8号)第四条
◆ 対象企業(二)
映画産業に従事する企業
映画産業に従事する企業についても、2020年度に発生した欠損金に限り、繰越期間の上限が5年から8年に延長されています。
ここでいう映画産業に従事する企業とは、映画の製作・配給・上映に従事する企業を指します。
なお、インターネット、電気通信網、ラジオ、テレビ等の情報ネットワークを通じて映画を普及させる企業は、本制度の対象には含まれません。
📖 根拠規定『映画産業等に対する税費の支援政策に関する公告』(財政部・税務総局公告2020年第25号)
✅5.③ 欠損金の繰越期間(10年間)の詳細
◆ 対象企業
ハイテク技術企業および科学技術型中小企業
2018年1月1日以降、当該年度にハイテク技術企業または科学技術型中小企業の資格を取得した企業については、資格取得年度以前の5年間に発生した欠損金のうち、未補填の欠損金を翌年度以降に繰り越すことが認められています。
この場合、当該欠損金については、繰越期間の上限が従来の5年から10年に延長されます。
2018年に資格を取得した企業については、2013年から2017年までの期間に当該資格を有していたか否かを問わず、2013年から2017年に発生し、なお補填されていない欠損金は、以後の事業年度に繰り越して補填することが認められ、その繰越期間の最長は10年間とされます。
また、2018年以降の年度に資格を取得した企業についても、これに準じて欠損金の繰越補填に関する税務処理を行うものとされます。
📖 根拠規定『財政部・税務総局ハイテク技術企業及び科学技術型中小企業の欠損金の繰越期間の延長に関する通知』(財税〔2018〕76号)第一条

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