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【個人所得税】KOLインフルエンサーなどの個人への支払い、『労務報酬』の税金とは?④

更新日:7月30日

こんにちは。上海MTACおよび合同会社MTACジャパンの太田です。

このブログでは、中国における会計・税務・労務の規定や実務について、わかりやすく解説しています。中国現地法人の財務管理のご参考として、また中国での販路拡大の一助となれば幸いです。

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 中国法人による個人への業務委託のなかでも、近年はSNSマーケティングの発展に伴い、インフルエンサー(中国では「KOL(Key Opinion Leader)」と呼ばれます)への委託が増加しています。

 そこで本稿では、こうした個人への業務委託に関連する税務、すなわち「労務報酬」に対する個人所得税について、上海市税務総局の解説も交えながら、わかりやすくご紹介します。


 なお、本記事は全7回にわたる記事シリーズの第4回「労務報酬の課税単位は『1カ月』?連続性がある業務の税務判断ポイント」にあたります。シリーズでは、制度の基礎から具体的な計算方法までを段階的に解説しておりますので、ぜひ文末の「あわせて読みたい」リンクから、他の記事もあわせてご覧ください。


4、労務報酬の課税単位は「1カ月」?連続性がある業務の税務判断ポイント

● 一回限りの役務提供(連続性がない場合)

 労務報酬所得は、その性質上「一時的・単発の報酬」として扱われます。そのため、個人が同一の役務項目について報酬を受け取る場合、原則として1回の受領をもって課税対象とされます。


● 同一の役務項目で連続性がある場合

 ただし、同一の業務内容が反復的に行われた場合は、課税の単位が異なります。具体的には、1カ月以内に得た収入は「1回」とみなすとされます。


【例】

 企業が、個人で活動する中国人インフルエンサー(KOL)に対し、SNSでの投稿拡散業務を毎月継続的に委託しているケースを考えます。

 仮に同月内に複数回投稿を行っても、その月に受け取るすべての報酬は「1回分の労務報酬所得」として扱われます。

 さらに、SNS投稿が月をまたいだり、数カ月ごとに支払いが行われる場合であっても、実際に収入を得た日が属する月ごとに区分し、「1回」とみなす扱いが基本です。



● 異なる役務項目がある場合

 一方、異なる業務内容(例:SNS投稿+動画制作など)を兼ねている場合、それぞれを別の労務報酬所得とみなし、個別に費用控除・課税計算を行う必要があります。

 そのため、企業側では個人ごとに業務内容の違いを明確に把握・記録し、支払明細や契約書で分類しておくことが望まれます。



【根拠となる規定】

  • 『中華人民共和国個人所得税法実施条例』(国務院令第600号)第21条第1項

  • 『国家税務総局「個人所得税を徴収する若干問題の規定」の通知』(国税発〔1994〕89号)


※なお、個人の属性(営業許可の有無、発票の発行可否、税務局による代理発行など)には多様なケースがあり、本記事では一般的な取り扱いに基づいて解説しています。

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