会計档案管理弁法の参考訳①
- ohtashmtac
- 2022年8月26日
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更新日:2 日前
上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。
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会計档案管理弁法の参考訳①
「会計档案管理弁法」は財政部の部会会議及び国家档案局の局務会議で改正案が採択されたので、これより改正後の「会計档案管理弁法」が公布され、2016年1月1日から施行されました。
「会計档案管理弁法」の参考訳を掲載しますので、ご覧いただけますと幸いです。
※档案管理とは、資料や書類の管理を意味しています。
「会計档案管理弁法」
第一条 会計ファイルの管理を強化し、会計ファイルを有効に保護や活用するため、「中華人民共和国会計法」「中華人民共和国档案法」などの関連法律や行政法規に基づき、本弁法を制定する。
第二条 本弁法は、国家機関、社会団体、企業、事業単位及びその他の組織(以下、総称して「単位」という)の会計ファイルの管理に適用する。
第三条 本弁法にいう会計ファイルとは、単位が会計計算等の過程において受領または作成し、単位の経済取引事項を記録や反映させるものであり、保存価値のある文字や図表等の各種形式による会計資料を有し、コンピュータ等の電子デバイスを利用して作成、送信及び保存する電子会計ファイルを含む。
第四条 財政部及び国家档案局は会計ファイルの業務を全国的に管轄し、共同で全国画一的な会計ファイルの業務制度を制定し、全国的に会計ファイル業務に対する監督指導を行う。
県レベル以上の地方人民政府の財政部門と档案行政管理部門は、本行政区域内の会計ファイル業務を管理し、本行政区域内の会計ファイル業務に対する監督と指導を行う。
第五条 単位は会計ファイルの管理を強化し、会計ファイルの収集、整理、保管、利用及び確認、廃棄等の管理制度を確立、改善し、信頼できるセキュリティ保護技術及び措置を採用して、会計ファイルの真正性、完全性、利用性及び安全性を確保しなければならない。
単位のファイル管理機関またはファイル管理者が所属する機関(以下、総称して「単位のファイル管理機関」という)は本単位の会計ファイルの管理責任を負う。単位はファイル管理要件を備えた機関に、会計ファイルの管理を委託することができる。
第六条 下記の会計資料は保管しなければならない。 (1) 原始証憑、記帳証憑等を含む会計証憑 (2) 総勘定元帳、明細帳、日記帳、固定資産台帳、その他補助元帳等の会計帳簿 (3) 月次、四半期、半期、年次等の決算書 (4) 銀行残高調整表、バンクステートメント、税務申告書、会計ファイル移管台帳、会計ファイル保管台帳、会計ファイル廃棄台帳、会計ファイル確認意見書等の保存価値のある会計資料
第七条 単位は会計ファイルを管理するために、コンピュータ、ネットワーク通信等のテクノロジーを用いることができる。
第八条 同時に下記要件を満たす場合、単位内で作成された保管範囲に属する電子会計資料は電子形式による保存をすれば、電子会計ファイルとなる: (1)作成された電子会計資料のソースが、真正かつ有効であり、コンピュータなどの電子デバイスによって作成され送信されること (2)使用する会計計算システムは、電子会計資料を正確、完全かつ有効に受信および読み取ることができ、国家標準の保管様式に一致する会計証憑、会計帳簿、財務諸表等の会計資料を出力することができ、処理、照合及び承認等の必要な審査プロセスが制定されていること (3)使用する電子ファイル管理システムが、有効に電子会計ファイルを受信、管理及び利用でき、電子ファイルの長期保存要件を満たすとともに、電子会計ファイルに関連する他の紙ベースでの会計ファイルとの検索関係を確立していること (4)電子会計ファイルが改ざんされないために、有効な措置を採用していること
(5)天災、事故、人災による破損の影響を効果的に防止するため、電子会計ファイルのバックアップ体制が確立されていること (6)作成する電子会計資料が永久保存価値を有する、またはその他保存価値の高い会計ファイルではないこと
第九条 本弁法の第八条に規定する要件を満たし、単位が外部から受信した電子会計資料に「中華人民共和国電子署名法」の規定に従った電子署名が付されている場合、電子形式による保存をすれば、電子会計ファイルとなる。
第十条 単位の会計機関または会計スタッフが所属する機関(以下、総称して「単位の会計管理機関」という)は、保管範囲及び保管要件に従い、保管すべき会計資料を定期的に整理し、製本し、会計ファイルの保管台帳を作成する責任を負う。
第十一条 当年度に作成した会計ファイルは、会計年度終了後、単位の会計管理機関にて一時的に一年間保管し、その後、単位のファイル管理機関に移管して保管することができる。業務上の必要性から移管を延期する必要がある場合は、単位のファイル管理機関の同意を得るものとする。
単位の会計ファイル管理機関による会計ファイルの一時的な保管期間は、最長で3年を超えないものとする。一時保管期間中、会計ファイルの保管は国家档案管理の関連規定に従うものとし、かつ出納係は会計ファイルの管理を兼任してはならない。
第十二条 単位の会計管理機関が会計ファイルを移管する場合、会計ファイル移管台帳を作成し、国家档案管理の関連規定に基づいて、移管手続きをしなければならない。
紙ベースでの会計ファイルの移管時は、元の製本状態で保管しなければならない。電子会計ファイルを移管する場合、電子会計ファイルとその元データを一緒に移管し、かつフォーマットは国家档案管理の関連規定に従わなければならない。特殊なフォーマットの電子会計ファイルは、読み取りプラットフォームと一緒に移管しなければならない。
単位の会計ファイル管理機関が電子会計ファイルを受領する場合、電子会計ファイルの正確性、完全性、信頼性および安全性をテストし、要件を満たす場合のみ受け入れることができる。
第十三条 単位は関連制度に基づき会計ファイルを厳格に利用し、会計ファイルの閲覧、複写、貸出の際には登録手続きを行い、改ざんや破損を厳格に禁止しなければならない。
単位が保管する会計ファイルは、一般に貸し出してはならない。業務上必要であり、国家の関連規定に従って貸し出さなければならない場合は、その規定に従って関連する手続きを厳密に実施しなければならない。
会計ファイルを借用した単位は、会計ファイルを適切に保管、利用し、安全性および完全性を確保し、所定の期間内に返却しなければならない。
第十四条 会計ファイルの保管期間は、永久保管と定期保管の2つに分けられる。定期保管の期間は、一般的に10年と30年に分けられる。
会計ファイルの保管期間は、会計年度終了後の最初の日から起算する。
第十五条 各種会計ファイルの保管期間は原則として本弁法の別表により実施するものとし、本弁法に定める会計ファイルの保管期間を最短の保管期間とする。
単位の会計ファイルの具体的名称が、本弁法の別表に記載されたファイルの名称と一致しない場合は、類似のファイルの保管期間に従うものとする。
第十六条 単位は定期的に保管期間を過ぎた会計ファイルを確認し、会計ファイルの確認意見書を作成しなければならない。確認の結果、引き続き保管する必要のある会計ファイルは再度保管期間を定めなければならない。保管期間が過ぎた保存価値のない会計ファイルは廃棄することができる。
第十七条 会計ファイルの確認は、単位のファイル管理機関が主導し、単位の会計、監査、監督等の機関または担当者を組織し、共同で実施する。
第十八条 確認の結果、破棄可能となった会計ファイルは、次のプロセスを経て廃棄する。 (1)単位のファイル管理機関は、廃棄する会計ファイルの名称、巻、冊数、開始及び終了年度、ファイル番号、保管期間、保管年数及び廃棄日等を記載した会計ファイル廃棄台帳を作成しなければならない。 (2)単位の責任者、ファイル管理機関の責任者、会計管理機関の責任者、ファイル管理機関の担当者及び会計管理機関の担当者は、会計ファイル廃棄台帳に署名しなければならない。 (3)単位のファイル管理機関は、会計ファイルの破棄業務をとりまとめ、会計管理機関と共同で破棄を監督するための人員を派遣する責任を負う。監督者は会計ファイルの廃棄前に、会計ファイル廃棄台帳に記載された内容に基づいて照合を行う。会計ファイルの廃棄後、会計ファイル廃棄台帳に署名または押印しなければならない。 電子会計ファイルの破棄は、電子ファイルに関する国の規定を遵守し、単位のファイル管理機関、会計管理機関及び情報システム管理機関は共同で破棄を監督するための人員を派遣しなければならない。
第十九条 保管期間を過ぎたが債権債務の清算が完了していない会計証憑及び関連のその他未結了事項の会計証憑は破棄してはならず、紙ベースでの会計ファイルは単独で原資料から抜き出し、電子会計ファイルは単独で別途保管し、未結了事項が結了するまで保管しなければならない。 単独で原資料から抜き出しまたは別途保管する会計ファイルは、会計ファイル確認意見書、会計ファイル破棄台帳および会計ファイル保管台帳に記載しなければならない。
第二十条 単位が登記抹消、解散、破産等の理由により終了する場合、終了または登記抹消手続きの前に作成された会計ファイルは、国家档案管理の関連規定に従って処分する。
第二十一条 単位の分割後、分割元の単位が存続する場合、その会計ファイルは分割後に存続する側が画一的に保管し、他方はその業務に関する会計ファイルを閲覧し、複写することができる。 単位の分割後、分割元の単位が解散する場合、その会計ファイルは、当事者間で協議し、どちらか一方が国家档案管理の関連規定に基づいて処理しなければならず、各当事者はその業務に関する会計ファイルを閲覧および複写することができる。 単位の分割中において、未結了の会計取引に関わる会計証憑は、単独で抜き出して業務関係者が保管し、規定に基づき引継ぎ手続きを行う。 単位は事業を他の単位に移管するために処理することになった関連の会計ファイルは、分割元の単位が保管するものとし、承継単位はその事業に関わる会計ファイルを閲覧し、複写することができる。そのうち未結了の会計取引に関わる会計証憑は、単独で抜き出し、承継単位が保管し、規定に基づき引継ぎの手続きを行う。
第二十二条 単位の合併後、各単位が解散または単位の一方が存続し他方が解散する場合、各単位の会計ファイルは合併後の単位が保管するものとする。単位の合併後、各単位が存続する場合、その会計ファイルは各単位が引き続き保管する。
第二十三条 建設業関連の単位がプロジェクトの建設期間中に作成した会計ファイルで、建設プロジェクトの承継単位に移管する必要がある場合、竣工に関する決算が完了した後、適時に移管し、規定に基づいて引継ぎ手続きを行わなければならない。
第二十四条 単位間で会計ファイルの受渡をする場合、当事者間で会計ファイルの受け渡しの手続きを行うものとする。 会計ファイルを引き渡す単位は、引き渡す会計ファイルの名称、巻、冊数、開始年度および終了年度、ファイル番号、保管期間および保管年数等を記載した会計ファイル移管台帳を作成しなければならない。 会計ファイルの引き渡し時、双方は会計ファイル引き渡し台帳に記載された内容ごとに引き渡し、かつ双方の単位責任者の監督を受けなければならない。引き渡し完了後、双方の担当者及び監督者は会計ファイル移管台帳に署名または捺印する。 電子会計ファイルは、その元データとともに移管し、特殊なフォーマットの電子会計ファイルは、その読み取りプラットフォームとともに引き渡されなければならない。ファイルの受領単位は、保管した電子会計ファイルのキャリアおよびその技術環境を検査し、受領した電子会計ファイルの正確性、完全性、信頼性や安全性を確保しなければならない。
第二十五条 単位の会計ファイルおよびそのコピーを携帯、移送または送信により国外へと持ち出す必要がある場合、国家の関連規定に従って実施する。
第二十六条 単位が仲介業者に記帳代行を委託する場合、締結する委託契約書内に、会計ファイルの管理に関する要件とそれに対応する責任を明記しなければならない。
第二十七条 本弁法の規定に違反した単位および個人は、「中華人民共和国会計法」、「中華人民共和国档案法」等の法令に基づき、県レベル以上の人民政府の財務部門および档案行政管理部門が処理し、処罰するものとする。
第二十八条 予算、計画、制度等の文書資料で、文書の保管管理規程に準拠しているものは、本弁法の対象とはならない。
第二十九条 ファイル保管機関の設置またはファイル保管要員を配置する要件を備えていない単位及び法律に基づき会計帳簿を設置している個人事業主は、その会計ファイルの収集、整理、保管、利用及び確認、廃棄等について、本弁法を参照するものとする。
第三十条 各省、自治区、直轄市及び計画都市の人民政府財政部門、档案行政管理部門、新疆生産建設兵団財務局、档案局、国務院の各事業主管部門及び中国人民解放軍の総バックオフィス部門は、本弁法に基づき、具体的な措置を制定することができる。
第三十一条 本弁法は、財政部及び国家档案局が解釈を担当し、2016年1月1日から施行する。財政部及び国家档案局が1998年8月21日に公布した「会計档案管理弁法」(財会[1998]32号)」は、同時に廃止されるものとする。
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