【企業所得税】事業年度の納付すべき税額の計算(2024年度版)
- ohtashmtac
- 5 日前
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上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。
当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。
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2024年度の企業所得税の計算方法をご紹介します。中国の確定申告や納付額の算出について詳しく解説していますので、詳細は以下をご覧ください。
目次:
1.企業所得税の確定申告とは?
2.納付すべき企業所得税額とは?
3.2024年度の優遇税制について
1.企業所得税の確定申告とは?
企業所得税の確定申告とは、納税義務者が当該事業税年度終了の日の翌日から5カ月以内に、または実質的な事業終了日から60日以内に、企業所得税に関する法律、規定、規則およびその他の規定に従い、当該事業年度の課税所得額および納付すべき企業所得税額を計算し、かつ確定申告書を作成し、税務当局に申告することです。
一般的に、継続企業であれば5月末が当該事業年度の申告期限です。納税期限も同じく5月末までです。
当該事業年度において月次または四半期に仮納付した企業所得税額がある場合は、その金額を差し引いた額で納税します。納付すべき税額の方が少ない場合は還付となるため還付申請をします。事業年度の納付すべき税額の計算方法は次をご覧ください。
ところで増値税の場合は、月次または四半期で納付すべき税額を確定し申告しているため、企業所得税のような事業年度終了後に実施する確定申告はありません。
2.納付すべき企業所得税額とは?

課税所得額は、税前利益を基準に「課税所得額調整表」に記載された加算調整額及び減算調整額に基づいて加算或いは減算し、繰越欠損金を補填した後に残った金額です。 (上表のE)
「課税所得額調整表」とは、中国現地法人が費用又は損失として会計処理した税前利益に対して、企業所得税法の規定により、費用として処理できない(損金の額に算入されない金額)や益金算入される金額などを対象に加算調整や減算調整を行い、「課税所得額」を算出する明細書です。
日本の法人税確定申告書に置き換えると、「別表4の所得の金額の計算に関する明細書」が相当するものと思われます。
なお、この明細書は、年度会計監査を委託する会計師事務所にもよりますが、その会計師事務所の年度監査の業務に含まれる場合は監査報告書とともに発行されます。
課税所得額の算出後、企業所得税率を乗じて企業所得税額を算出します。ここ数年は企業所得税の減税政策が実施されていますので、減税政策の対象となる企業は当該事業年度の減税政策に基づき減税額を算出します。企業所得税額から減税額を減算した金額が、当該事業年度の納付すべき企業所得税額です。(上表のI)
当該事業年度の納付すべき企業所得税額から、月次または四半期での申告時に仮納付した企業所得税額を差し引いた金額が、プラスになる場合は追納し、マイナスの場合は還付になります。(上表のK)
余談ですが、2023年に100万元以内の課税所得額に対して2.5%の企業所得税率が適用される大幅減税政策が廃止されました。そのかわりにと言っていいかは分かりませんが、300万元以内の課税所得額に対して5%の企業所得税率が適用される政策が実施されました(以下参照)。
3.2024年度の優遇税制について
(1)対象となる企業
下記の4つの要件をすべて満たしている企業です。
前提として、そのような企業を中国では「小規模企業(中国語:小型微利企業)」と呼んでおり、中小企業といったところです。
4つの要件とは?
① 国家が制限や禁止をしている事業に従事していないこと。
② 年間の課税所得額が300万元以下であること。
③ 従業員数が300人以下であること。
④ 資産総額が5,000万元以下であること。
(2)対象期間と年間の課税所得額の範囲と企業所得税率
【対象期間】 2023年1月1日から2027年12月31日までの5年間
【年間の課税所得額の範囲】300万元以下
【企業所得税率】 企業所得税率は5%
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