【企業所得税】見積計上した原価や費用に関して
- ohtashmtac
- 2024年10月30日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年12月19日
こんにちは。上海MTACおよび合同会社MTACジャパンの太田です。
このブログでは、中国における会計・税務・労務の規定や実務について、わかりやすく解説しています。中国現地法人の財務管理のご参考として、また中国での販路拡大の一助となれば幸いです。

発票などの有効な証憑が未取得であっても、会計上は原価や費用を計上すること自体は可能です。
しかしながら、税務上は「見積計上」は原則として認められないため、やはり最終的には発票などの有効な証憑の取得が必要となります。
実務上、発票未取得のまま見積計上となっているケースは、企業の財務活動において決して珍しくありません。
そこで本記事では、上海市税務当局の解説内容をもとに、見積計上した原価・費用と発票(有効な証憑)の取り扱いについて整理します。
📑 目次
1️⃣ 見積計上した原価や費用に関する発票が未取得の場合
2️⃣ 見積計上に関する発票は、遅くともいつまでに取得すべきか
3️⃣ 過年度の見積計上に関する発票を取得した場合
4️⃣ 発票を取得できない場合
1️⃣ 見積計上した原価や費用に関する発票が未取得の場合
規定により、企業がさまざまな要因により、当期に実際に発生した原価や費用に関する有効な証憑を適時に取得できない場合であっても、
企業所得税の四半期申告(仮申告)においては、帳簿上の計上額に基づき、一時的に計算・申告することが認められています。
ただし、企業所得税の確定申告時までには、当該原価・費用に関する有効な証憑を取得しておく必要があります。
📚 根拠規定
企業所得税に関する若干の事項についての国家税務総局の公告(国家税務総局公告2011年第34号)第6条
📝 MTACコメント
※ 規定上は「発票」とは限定されず、「有効な証憑」と表現されています。発票はその代表例であり、中国実務では最も一般的な有効証憑といえます。
2️⃣ 見積計上に関する発票は、遅くともいつまでに取得すべきか
各種規定により、企業は、
当該事業年度の企業所得税「確定申告期間の終了日」までに、損金算入を証明する証憑を取得する必要があります。
企業所得税の確定申告期間は、事業年度終了後から5か月以内 とされています。
📚 根拠規定
企業所得税の税額控除証明書管理弁法の公布に関する国家税務総局公告(国家税務総局公告2018年第28号)第6条
中華人民共和国企業所得税法(国家主席令第63号)第54条
3️⃣ 過年度の見積計上に関する発票を取得した場合
企業において、過年度に実際に発生した費用について、
本来は税務上控除できたにもかかわらず未控除であった
もしくは控除額が不足していた
ことが判明した場合、
専項申告を行い、かつ税務局に対して合理的な説明を行うことで、当該費用が発生した年度まで遡って控除額を再計算することが認められます。
ただし、遡及できる期間は最大5年間までとされています。
📚 根拠規定
企業所得税の課税所得の税務処理に関するいくつかの問題についての公告(国家税務総局公告2012年第15号)
📝 MTACコメント
※ 専項申告は、通常の月次申告・年度申告とは異なり、特定事項に限定した申告手続きです。実務上は、会計師事務所による専項報告書の提出が求められるケースが多く、要件整理や税務局への説明はハードルが高い点に注意が必要です。
4️⃣ 発票を取得できない場合
以下のようなやむを得ない特別事情がある場合には、発票の取得や差し替えが不可能となることがあります。
相手方の登記抹消
営業許可証の取消
税務当局による異常事業者認定
破産・清算 等
このような場合でも、一定の証憑をもって支出の正当性を証明できれば、損金算入が認められる可能性があります。
✅ 必要となる証憑類
📌 以下①~③は必須です。
① 発票等の発行・差替えが不可能であることを示す証憑(登記抹消、清算、異常事業者リスト登録、破産宣告等)
② 関連取引活動に関する契約書または合意書
③ 現金以外の支払いを証明する支払証憑
④ 物品の輸送証明書
⑤ 商品の入庫・出庫に関する社内証憑
⑥ 会計記録およびその他関連情報
📚 根拠規定
企業所得税の税額控除証明書管理弁法の公布に関する国家税務総局公告(国家税務総局公告2018年第28号)第14条
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