中国の「同時文書」についてザックリ解説

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

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中国の「同時文書」についてザックリ解説

 上海市税務総局の微信公式アカウントに、中国国外との関連者間取引に関する『同時文書』の作成についてQ&Aがありました。非常にシンプルまたザックリと説明していますので、中国の同時文書について余り馴染みのない方でも分かりやすいかと思います。以下に紹介いたします。



同時文書に関するQAについて

Q1:同時文書とは何ですか?



A2:企業は各納税年度にて作成し、税務当局の要求に応じて関連者間取引に関する同時文書を提供する必要があります。

 同時文書には、マスターファイル、ローカルファイル、特殊事項ファイルがあります。

 

Q2:マスターファイルは、どのような状況において作成すべきですか?



A2:以下の条件のいずれかに該当する企業は、マスターファイルを作成する必要があります。

(一)当年度に『国外関連者間取引』が発生し、且つ連結財務諸表の最終親会社に所属するグループがすでにマスターファイルを作成している場合。

(二)当年度の関連者間取引の合計金額が10億元を超える場合。


(注1)『国外関連者間取引』とは、法人が国外関連者との間で行う資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の取引をいいます。

 

Q3:ローカルファイルは、どのような状況において作成すべきですか?



A3:当年度の関連者間取引の合計金額が以下の条件のいずれかに該当する企業は、ローカルファイルを作成する必要があります。

(一)有形資産の所有権の譲渡金額(来料加工業務は、年間輸出入の通関申告価格により算定)が2億元を超える場合。

(二)金融資産の譲渡金額が1億元を超える場合。

(三)無形資産の所有権の譲渡金額が1億元を超える場合。

(四)その他の関連者間取引の合計金額が4,000万元を超える場合。

 

Q4:特殊事項ファイルは、どのような状況において作成すべきですか?



A4:特殊事項ファイルは、『コストシェアリング契約特殊事項ファイル』と『過小資本特殊事項ファイル』があります。

 企業がコストシェアリング契約を締結または実施した場合、コストシェアリング契約特殊事項ファイルを作成する必要があります。

 企業の関連負債資本比率が基準を超え、独立企業間価格の遵守を証明する必要がある場合、過小資本特殊事項ファイルを作成する必要があります。

 

Q5:マスターファイル、ローカルファイル、特殊事項ファイルは、どのような状況において作成が不要になりますか?



A5:企業が事前確認制度(APA)を実施する場合、事前確認制度(APA)に係る関連者間取引はローカルファイルおよび特殊事項ファイルを作成しなくてもよいです。

 また当該関連者間取引の金額は、第42号公告の第13条に基づき、算定に入れないものとします。


 中国国内の関連者とのみ関連者間取引を行っている企業は、マスターファイル、ローカルファイル、特殊事項ファイルを作成する必要はありません。

 

Q6:同時文書の保管期間は何年ですか?



A6:同時文書は、税務当局の要求による作成完了日から10年間保管する必要があります。

 

Q7:企業はいつまでに同時文書の作成を完了させ、また 税務当局への同時文書の提供はいつまでに行えばよいですか?



A7:マスターファイルは、企業グループの最終親会社の会計年度の終了の日から12ヶ月以内に作成する必要があります。


 ローカルファイルと特殊事項ファイルは、関連者間取引が行われた年度の翌年6月30日までに作成する必要があります。



 いずれの同時文書も、税務当局からの要求があった日から30日以内に提供する必要があります。企業が不可抗力により期限内に同時文書を提供できない場合、不可抗力がなくなってからの30日以内に同時文書を提供する必要があります。

 

根拠規定:

1.中華人民共和国企業所得税法

2.中華人民共和国企業所得税法実施条例

3.国家税務総局による、関連者間取引の申告及び同時資料の作成管理に関する公告(国家税務総局公告2016年第42号)


 

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