【個人所得税】企業が一部の従業員のために購入する商業保険は個人所得税の課税対象
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【個人所得税】企業が一部の従業員のために購入する商業保険は個人所得税の課税対象

更新日:2021年8月30日

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。



当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。

 
【個人所得税】企業が一部の従業員のために購入する商業保険は個人所得税の課税対象


企業が一部の従業員のために商業保険を購入する場合

 下記の規定①より、企業が一部の従業員のために購入する商業保険は個人所得税の課税対象になります。これより税務上の処理は、企業が保険会社に支払った時に、従業員への手当の一種として給与に合算し個人所得税を算出、個人所得税を源泉徴収し納税します。



 近年、企業が駐在員やその家族また現地採用職員のために中国国内の医療保険に加入するケースが増えています。企業が駐在員やその家族または現地採用職員のために中国国内の医療保険に加入する場合も同じく企業が従業員のために負担する商業保険に該当するため、個人所得税の課税対象になります。従って税務上の処理は、従業員への手当の一種として給与に合算し個人所得税を算出し、また個人所得税額を源泉徴収し納税します。



従業員個人が商業保険を購入する場合

 下記の規定②③より、2017年7月1日から、従業員個人が規定に適合する商業健康保険を購入した場合、個人所得税の申告時に月額200元(年額2,400元)の控除を受けることが可能になりました。



企業が統一的に従業員のために商業保険を購入する場合

 企業が統一的に従業員のために規定に適合する商業健康保険を購入する場合、各従業員の給与に合算し個人所得税を算出し納税しますが、別途従業員個人の購入とみなして個人所得税の申告時に月額200元(年額2,400元)の控除を受けることができます。



 なお、企業が一部の従業員のために(例えば駐在員やその家族)商業健康保険を購入した場合は、規定に適合しないので、一部の従業員の給与に合算し個人所得税を算出納税するものの、別途従業員個人の購入とみなして個人所得税の申告時に月額200元(年額2,400元)の控除を受けることはできません。



 個人所得税を個人負担ではなく企業負担として労働契約を結んでいる場合、企業のコストが増加しますし、個人負担として労働契約を結んでいる場合は個人の手取額に影響が出ますので、商業保険の購入をご検討の場合は、ご購入の前に税法規定をご確認することを推奨いたします。



規定:

 ③『財政部 国家税務総局 保監会 商業健康保険に係る個人所得税政策の試行拠点工作の展開に関する通知』(財税【2015】56号)


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