検索結果
空の検索で373件の結果が見つかりました。
- 【企業所得税】企業所得税率が実質2.5%になりました!③【参考訳】
上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログが、皆さまの中国子会社の財務面のサポートに繋がったり、また中国での販路拡大に少しでも役立つようでしたら幸いです。 【企業所得税】企業所得税率が実質2.5%になりました!③【参考訳】 国家税務総局が4月7日付で、21年度と22年度の小規模企業に対する『企業所得税2.5%』に関する細則を発表し、さらに 当該細則に対する解釈を発表しました。今回は解釈について参考訳を掲載いたします。解釈では 関連の規定や細則などが詳細に説明されています。また企業所得税の算出方法も掲載されています。これより、当該解釈の方が細則や規定よりも理解しやすいのではと思われます。 ●解釈名 国家税務総局による『小規模企業及び個人事業主の発展を誠実に支援するための企業所得税優遇政策の実施に関する公告』の解釈 ●本文 『小規模企業及び個人事業主に対する企業所得税優遇政策の実施に関する公告』(2021年第12号)の規定に基づいて、税務局は、『小規模企業及び個人事業主の発展を誠実に支援するための企業所得税優遇政策の実施に関する公告』(以下略称『公告』)を公布した。 解釈は以下の通りである。 一、なぜ『公告』が制定かつ公布されたのか? 党中央委員会と国務院の決策部署の精神を貫徹し、市場の活力の回復や、活力の増強をさらに支援し、小規模企業や個人事業主の発展を支援するために、財政部と税務総局は共同で、『小規模企業及び個人事業主に対する企業所得税優遇政策の実施に関する公告』(2021年第12号)を公布し、年間の課税所得額が100万元以下の小規模企業や個人事業主に対して、現行の優遇政策に加えて、所得税を半額に軽減して徴収することを規定した(以下略称、半減政策)。 この半減政策の実施情況を速やかに明確化し、半減政策の実施を確実化し、市場がその恩恵を享受できるようにするため、本『公告』を制定かつ公布した。 二、どこまでが税収優遇政策の適用範囲なのか? 2021年1月1日から2022年12月31日までの間、年間課税所得額が100万元以下の小規模企業や個人事業主に対しては、現行の優遇政策に加えて、所得税を半減して徴収する。 小規模企業や個人事業主は徴税方式を区別することなく、均一的に半減政策の対象となる。 三、税収優遇政策を享受するためにはどのような手続きが必要か? 小規模企業と個人事業主は、企業所得税の予納と確定申告のいずれにおいても半減政策を享受でき、本政策の享受時に届け出をする必要はなく、企業所得税申告書、または個人所得税申告書及び減免税事項報告書の関連欄に記入することで、享受できる。 電子税務局を通じて申告する小規模企業や個人事業主に対しては、税務局が当申告書及び報告書(個人所得税のみ)内で本政策の事前記入サービスを自動的に提供する。 個人事業主が簡易申告(定期定額方式)を行う場合は、税務局が半減した額で振替納税を行う。 四、小規模企業の判定基準に変更はあるか? 小規模企業の判定基準は、依然『小規模企業の普遍的な企業所得税減免税政策の実施に関わる問題に関する公告』(2019年第2号)」の関連規定に従う。 すなわち小規模企業とは、国が制限または禁止していない産業に従事する企業で、年間の課税所得額が300万元以下であり、従業員数が300人以下であり、資産総額が5,000万元以下である3つの要件を同時に満たしている企業である。 企業所得税の予納時は、小規模企業の資産総額、従業員数、年間課税所得額の指標は、当期の申告所属期間満了時までの情況をに基づいて一時的に判断をする。 五、小規模企業の実際の納付すべき企業所得税額及び減免税額は、どのように算出するのか? 小規模企業の年間課税所得のうち100万元を超えない部分(100万元含む)は12.5%で減額し、100万元を超えてから300万元を超えない部分は50%で減額し、いずれも20%の税率で企業所得税が課される。 具体的には以下の通りである。 【例1】 A企業は小規模企業の要件を満たし認定を受けている。 2021年第1四半期の企業所得税の予納時、対応する課税所得が50万元である場合、 A企業が実際に予納すべき企業所得税:50万元×12.5%×20%=1.25万元 減免税額=50万元×25%-1.25万元=11.25万元 ※25%は企業所得税の原則の税率 第2四半期の企業所得税の予納時、対応する累積課税所得が150万元である場合、 A企業が実際に予納すべき企業所得税: 100万元×12.5%×20%+(150-100)×50%×20%=2.5+5=7.5万元 減免税額=150万元×25%-7.5万元=30万元 ※25%は企業所得税の原則の税率 関連記事: 【企業所得税】企業所得税率が実質2.5%になりました! 【企業所得税】企業所得税率が実質2.5%になりました!②【参考訳】 MTACではクライアント様のご要望によりそった様々なサービスを提供しております。 ● 月次サービス記帳代行 ●月次の帳簿チェック ●中国子会社の法人設立、登記変更、撤退の手続き ●日本語、中国語の翻訳サービス ●中国会計税務に関するご相談サービス まずはお気軽に、ご相談ください。(日本語、中国語どちらでもOK)
- 【増値税】優遇政策について①
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 【増値税】優遇政策について① 上海市税務総局のWeChat公式アカウントに、 増値税の優遇政策に関するQ&A記事がありましたので、弊社にて多少の解説を加えて紹介いたします。 なお、中国では政策が発表された際、実務上は申告システム内で自動的に適用或いは反映されるように税務局側が事前にシステムを組んでいることが一般的です。ただし、全ての政策に対応しているわけではないため、やはり企業側でも常時確認を行うことをお勧めいたします。 目次: Q1&A1 小規模納税者の予納制度について Q2&A2 一般納税者の国内旅客運輸サービスの航空チケット代金について Q1: 増値税を納税地以外で予納する必要がある小規模納税者は、月額売上高が15万元を超えない場合でも予納する必要がありますか? A1: 2021年4月1日以降、現行の規定に基づいて増値税を予納する小規模納税者は、予納地で達成した月額売上高が15万元を超えない場合、現状は予納する必要はありません。 Q2: 国内旅客運輸サービスの航空チケット代金(チケット代金+燃油サーチャージ)は仕入増値税額の計算基準に入りますが、民航基金などのその他費用を仕入増値税額の計算基準に入れることは可能でしょうか? A2: 『航空運輸電子客票行程表(下記の画像)』には、チケット代金、燃油サーチャージ、民航発展基金が別々に表示されています。 中でも『民航発展基金』は政府系の基金であり、航空運輸企業の売上高には含まれず、増値税の課税対象にもなりません。 増値税は、『賦課と控除の一貫性』という基本原則に基づいています。取引において賦課された税額は、次の取引で控除されます。取引において賦課されなかった税額は、次の取引で控除されません。 したがって、『民航発展基金』は仕入税額控除の対象には含まれません 。 ↑下の赤枠は票価と民航発展基金を囲んでいるので間違いではないかと思います。民航発展基金の右隣が燃油サーチャージです。(なお画像はフリー素材です) 弊社の補足になります。 対象となるのは『旅客の身分情報(氏名と身分証番号やパスポート番号)』の記載がある発票。 なお、航空運輸電子客票行程単(名称に発票がついてませんが発票に該当します) ※旅客は会社と雇用契約を締結した者、または会社に人材派遣会社から常駐派遣されている者が対象です。 ※旅客の身分情報は『氏名と身分証番号やパスポート番号』の両方が必要です。 参考規定:【关于国内旅客運輸服務進項税抵扣等増値税征管問題的公告】 【四川省人民政府網】 『票価と燃油附加費(チケット代金+燃油サーチャージ)』が税込価格になりますので、次の計算式で仕入増値税額を算出します。 仕入増値税額=(票価+燃油附加費)÷(1+9%)×9% 関連記事: 【増値税】国内旅客運輸サービスの仕入増値税額控除② 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 【増値税】優遇政策について②
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 【増値税】優遇政策について② 上海市税務総局のWeChat公式アカウントに、 増値税の優遇政策に関するQ&A記事がありましたので、弊社にて多少の解説を加えて紹介いたします。 なお、中国では政策が発表された際、実務上は申告システム内で自動的に適用或いは反映されるように税務局側が事前にシステムを組んでいることが一般的です。ただし、全ての政策に対応しているわけではないため、やはり企業側でも常時確認を行うことをお勧めいたします。 目次: Q3&A3 生産・生活サービス業の納税者に関する追加控除について、総売上高の50%を超えるとは50%を含むのか Q4&A4 追加控除が未申告の場合、修正申告若しくは次月以降に追加して申告することができるのか Q5&A5 Q3: 生産・生活サービス業の納税者とは4つのサービスを提供している企業であり、 4つのサービスにより取得した売上高が総売上高の50%を超えること とのことですが、 ここでいう50%には50%が含まれるのでしょうか? A3: ここでいう「50%を超える割合」には、この50%は含まれていません。 つまり、4つのサービスの売上高が総売上高の50%以下の納税者は、生産・生活サービス業の納税者には属さず、追加控除政策を享受することができません。 『財政部・税務総局・税関総署の増値税改革の浸透化の関連政策に関する公告』(財政部・税務総局・税関総署2019年第39号、以下略称『第39号公告』)の第七条によると、生産・生活サービスの納税者とは、郵便サービス、通信サービス、近代的なサービス、ライフサービスの4つのサービス(以下、4つのサービス)を提供することで取得する売上高が全体総売上高の50%を超えている者を指します。 4つのサービスの具体的な範囲は、『サービス、無形資産、不動産の販売に関する注意事項』(財税[2016]第36号発行)に基づいて実施されます。 Q4: 納税者が『追加控除声明書』を提出した後、速やかに追加控除額を申告していない場合は、状況に基づいて修正申告若しくは次月以降に追加して申告することができますか? A4: 『財政部・税務総局・税関総署の増値税改革の浸透化の関連政策に関する公告』(財政部・税務総局・税関総署2019年第39号)によると、納税者が追加控除を申告できるにも関わらず申告していなかった場合は、追加控除政策の適用が決定された期間にまとめて申告させることができます。 これより、納税者が追加控除の要件を満たしているにも関わらず、様々な理由で速やかに追加控除を申告していない場合には、その後の申告期間で追加控除の申告をすることが認められています。 Q5: 弊社は、2019年は追加控除の政策を適用しましたが、2020年は要件を満たさないため追加控除の適用ができなくなりました。 2019年に申告した分の追加控除額について、2020年に仕入増値税額の振出をした場合、関連する追加控除額の変動額も処理する必要がありますか? A5: 『財政部・税務総局・税関総署の増値税改革の浸透化の関連政策に関する公告』(財政部・税務総局・税関総署2019年第39号)の第七条(二)によると、既に申告した追加控除額について、規定に基づいて仕入増値税額の振出をした場合は、仕入増値税額の振出をした当期において、関連の追加控除額もまた減額をする必要があります。 したがって、納税者が2019年に申告した追加控除額について、2020年に仕入増値税額の振出をした場合は、納税者は2020年に追加控除政策を適用しているかどうか関わらず、いずれの場合も仕入増値税額の振出をした当期内で、関連の追加控除額を減額することになります。 関連記事: 【増値税】15%追加仕入税額控除ができる生活サービス事業内容の紹介 【増値税】生活サービス事業者を対象に仕入増値税の追加控除額が10%から15%へ拡大されました。 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 中国電子商務法【参考訳】①
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 中国電子商務法【参考訳】① 本法は2019年1月1日付で実施されました。 日本と中国間の越境ECが盛んになっていますので、越境ECに関する中国の法律文書の参考訳を掲載したいと思います。全部で89条ありますので、章ごとに分けて参考訳を掲載いたします。 本法第三条で、『国家は電子商取引の新業態の開発や発展を奨励し~』と中国政府が奨励していることを述べていますので、現時点で越境ECに従事することはチャンスかと思われます。 関連記事: 中国電子商務法【参考訳】① 中国電子商務法【参考訳】② 中国電子商務法【参考訳】③ 中国電子商務法【参考訳】④ 中国電子商務法【参考訳】⑤ 中国電子商務法【参考訳】⑥ 政策名:中国電子商務法 中国語: 中华人民共和国电子商务法 【参考訳】 第一章 総則 第一条 本法は、電子商取引のすべての対象者の正当な権利と利益を保護し、電子商取引の行為を規範し、市場秩序を維持し、電子商取引の持続的かつ健全な発展を促進するために制定する。 第二条 本法は、中華人民共和国における電子商取引活動に適用される。 本法が言うところの電子商取引とは、インターネットなどの情報ネットワークを通じて商品の販売やサービスの提供を行う事業活動を指す。 法律または行政法規が商品の販売またはサービスの提供について規定している場合は、その規定が適用される。 金融商品やサービス、情報ネットワークを利用したニュース・情報の提供・オーディオコンテンツ・出版及び文化商品等のコンテンツ関連サービスは本法の対象外とする。 第三条 国家は電子商取引の新業態の開発や発展を奨励し、ビジネスモデルを革新し、電子商取引技術の研究開発と普及応用を促進し、電子商取引インテグリティ体制の構築を推し進め、電子商取引の革新的な発展を助長する市場環境を構築し、高品質な発展を促進し、日々増加する人民がより良い生活を求めるニーズを満たし、開放的な経済を構築する上で、電子商取引の重要な役割を十分に発揮するものである。 第四条 国家は、オンラインとオフラインの商業活動を平等に扱い、オンラインとオフラインの発展の統合を促進する。各級人民政府及び関連部門は、差別的な政策措置を採用したり、行政権を濫用して市場競争を排除または制限してはならない。 第五条 事業活動を行う電子商取引事業者は、自発性・平等性・公正性・誠実性の原則に従い、法律及び商業道徳を遵守し、市場競争に公正に参加し、消費者の権利利益の保護・環境保護・知的財産権の保護・ネットワークセキュリティと個人情報の保護などの義務を果たし、製品及びサービスの品質に責任を持ち、政府や社会による監督を受け入れなければならないとしている。 第六条 国務院の関連部門は、責任分担に基づき、電子商取引の発展の促進・監督・管理に責任を負う。 県級以上の地方各級人民政府は、その行政区の実情に応じて、その行政区内の電子商取引に関する部門の責任分担を決定することができる。 第七条 国家は電子商取引の特性に応じた共同管理体制を構築し、関係部門・電子商取引業界団体・電子商取引事業者・消費者等の共同参加による電子商取引市場のガバナンスシステムの形成を推進する。 第八条 電子商取引の業界団体は、その定款に基づいて業界の自主規制を行い、健全な業界の規範を確立し、業界の健全性の構築を促進し、その業界の事業者が市場競争に公正に参加するように監督や指導を行う。 ↓中国電子商務法 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 中国電子商務法【参考訳】②
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 中国電子商務法【参考訳】② 本法は2019年1月1日付で実施されました。 日本と中国間の越境ECが盛んになっていますので、越境ECに関する中国の法律文書の参考訳を掲載したいと思います。全部で89条ありますので、章ごとに分けて参考訳を掲載いたします。 本法第三条で、『国家は電子商取引の新業態の開発や発展を奨励し~』と中国政府が奨励していることを述べていますので、現時点で越境ECに従事することはチャンスかと思われます。 関連記事: 中国電子商務法【参考訳】① 中国電子商務法【参考訳】② 中国電子商務法【参考訳】③ 中国電子商務法【参考訳】④ 中国電子商務法【参考訳】⑤ 中国電子商務法【参考訳】⑥ 政策名:中国電子商務法 中国語: 中华人民共和国电子商务法 【参考訳】 第二 電子商取引事業者 第一節 一般規定 第九条 本法でいうところの電子商取引事業者とは、インターネットなどの情報ネットワークを通じて商品の販売やサービスの提供などの事業活動を行う自然人・法人・非法人組織であり、電子商取引プラットフォーム事業者・プラットフォーム内の事業者・自前のウェブサイトやその他のネットワークサービスを通じて商品の販売やサービスの提供を行う電子商取引事業者を含む。 本法でいうところの電子商取引プラットフォーム事業者とは、電子商取引において双方若しくはそれ以上の当事者に対してネットワーク上の事業所・取引の仲介・情報発信などのサービスを提供し、独立発展した取引活動を提供する法人または非法人組織をいう。 本法がいうところのプラットフォーム内事業者とは電子商取引プラットフォームを通じて商品の販売やサービスの提供を行う電子商取引事業者のことをいう。 第十条 電子商取引事業者は、法律に基づいて市場主体として登録しなければならない。 ただし、自家生産の農産物や副産物・家内制手工業品を販売する個人・技能を活かした法律に基づき許可の取得を必要としない簡易な労働活動や小規模でスポット的な取引活動に従事する個人は、法律・行政法規に基づいて登録を必要としないものとする。 第十一条 電子商取引事業者は、法律に基づいて納税義務を履行し、かつ法律に基づいて税制上の優遇措置を享受するものとする。 前条の規定により市場主体として登録する必要のない電子商取引事業者は、最初の納税義務が発生した後、徴税および管理に関する法律・行政法規の規定に基づいて税務登記を申請し、かつ真実の内容に基づいて納税申告を行うものとする。 第十二条 電子商取引事業者が事業活動を行う際、法律に基づいて関連する行政許可の取得が必要である場合は、法律に基づいて行政許可を取得するものとする。 第十三条 電子商取引事業者は、人身・財産の安全保護及び環境保護の要件を満たす商品の販売またはサービスの提供を行うものとし、法律・行政法規により取引が禁止されている商品またはサービスの販売または提供を行ってはならないものとする。 第十四条 商品の販売やサービスの提供を行う電子商取引事業者は、紙の発票や電子発票などの物品購入証憑またはサービス証憑を法律に基づいて発行するものとする。 電子発票は、紙の発票と同じ法的効力を有する。 第十五条 電子商取引事業者は、そのトップページに、営業許可証の情報・その事業に係る行政許可情報・本法第十条の規定による市場主体としての登録を必要としない情報を公開するものとし、または当該情報のリンク先を公開するものとする。 電子商取引事業者は、前項に規定する情報に変更があった場合、速やかに公開情報を更新するものとする。 第十六条 電子商取引事業者が自ら電子商取引を終了する場合は、30日前までにトップページ上で関連情報を公開するものとする。 第十七条 電子商取引事業者は、消費者の情報入手の権利及び選択の権利を保護するために、商品またはサービスに関する情報を包括的に・誠実に・正確かつ速やかに公開するものとする。電子商取引事業者は、架空の取引や捏造された評価方法を用いて、虚偽または誤解を招くような商業宣伝を行い、消費者を欺いたり、誤解させたりしてはならない。 第十八条 電子商取引事業者は、消費者の興味嗜好や消費習慣などの特性に基づいて商品やサービスの検索結果を消費者に提供する場合、同時にその消費者の個人的特性に特化していない選択肢を提供し、消費者の正当な権利と利益を尊重し、平等に保護しなければならない。 消費者に広告を送付する電子商取引事業者は、『中華人民共和国広告法』の関連規定を遵守するものとする。 第十九条 商品やサービスを抱き合わせで販売する電子商取引事業者は、目立つ方法で消費者に注意を喚起しなければならず、抱き合わせ商品やサービスを消費者がデフォルトで同意するオプション設定をしてはならない。 第二十条 電子商取引事業者は、承諾または消費者と取り決めた方法及び期限で、商品またはサービスを消費者に引き渡し、かつ商品の輸送におけるリスク及び責任を負うものとする。 ただし、消費者が別のエクスプレス物流事業者を選択した場合を除く。 第二十一条 電子商取引事業者が取り決めに基づいて消費者から保証金を徴収する場合、保証金を返還する方法と手続きを明示し、保証金の返還に不合理な条件を設定してはならない。 消費者が保証金の返還を申請し、保証金返還の条件を満たした場合、電子商取引事業者は速やかに保証金を返還するものとする。 第二十二条 電子商取引事業者が、その技術的優位性・ユーザー数・関連産業を支配する能力・取引における他の事業者の電子商取引事業者への依存度などの要因により市場で支配的な地位を有する場合、その市場での支配的な地位を濫用して競争を排除または制限してはならない。 第二十三条 ユーザーの個人情報を収集・利用する電子商取引事業者は、個人情報の保護に関する法律および行政法規の規定を遵守するものとする。 第二十四条 電子商取引事業者は、ユーザー情報の照会・訂正・削除および解約の方法と手続きを明示し、ユーザー情報の照会・訂正・削除および解約に不合理な条件を設定してはならないものとする。 電子商取引事業者は、ユーザー情報の照会または訂正・削除の申請を受けた場合、本人確認を行った上で、速やかにユーザー情報の照会または訂正・削除を行うものとする。ユーザーが解約した場合、電子商取引事業者は直ちにユーザーの情報を削除するものとする。法律・行政法規の規定、または両者の合意に基づき保存することができるものは、その規定に基づくものする。 第二十五条 法律および行政法規の規定に基づき、電子商取引データに関する情報を提供するよう関連管轄部門から要請された場合、電子商取引事業者は提供するものとする。関連管轄部門は、電子商取引事業者から提供されたデータ情報のセキュリティを保護するために必要な措置を講じ、そこに含まれる個人情報・プライバシー・商業機密を厳重に守り・他人に開示・販売・または違法に提供してはならないものとする。 第二十六条 越境電子商取引に従事する電子商取引事業者は、輸出入の監督・管理に関する法律・行政法規及び国家の関連規定を遵守するものとする。 第二節 電子商取引プラットフォーム事業者 第二十七条 電子商取引プラットフォームの事業者は、商品の販売やサービスの提供のためにプラットフォームへの参加を申請する事業者に対し、身元・住所・連絡先・行政許可などの実在する情報を提出し、検証・登録・登録ファイルの作成・定期的な検証と更新を行うものとする。 電子商取引プラットフォームの事業者は、プラットフォームに駐留し商品の販売またはサービスの提供を行う非事業者ユーザーにサービスを提供する場合、本項の関連規定を遵守するものとする。 第二十八条 電子商取引プラットフォーム事業者は、市場監督管理局の規定に基づいて、プラットフォーム内の事業者の個人情報を報告するものとし、市場主体として登録されていない事業者に法律に基づいて登録申請を促し、市場監督管理部門と協力して、電子商取引の特性上、市場主体として登録申請すべき事業者の登録のために便宜を図るものとする。 電子商取引プラットフォーム事業者は、徴税および管理に関する法律および行政法規の規定に基づいて、プラットフォーム内の事業者の個人情報および税務関連情報を税務当局に報告するとともに、本法第十条より市場主体として登録する必要のない電子商取引事業者に対して、本法第十一条第二項の規定により税務登記の申請を促すものとする。 第二十九条 電子商取引プラットフォーム事業者は、プラットフォーム内の商品またはサービスに関する情報について、本法第十二条および第十三条の規定に違反していることを発見した場合、法律に基づいて必要な処分措置を講じるとともに、関連する管轄当局に報告するものとする。 電子商取引プラットフォーム事業者は、ネットワークの安全かつ安定した運用を保証し、インターネット上の違法及び犯罪行為を防止し、サイバーセキュリティ事故に効果的に対応し、電子商取引の安全を守るために、技術的措置その他の必要な措置を講じるものとする。 電子商取引プラットフォーム事業者は、サイバーセキュリティ上の事故に対する応急措置を制定し、サイバーセキュリティ上の事故が発生した場合には、直ちに応急措置を発動し、適切な応急措置を講じ、かつ関連する管轄当局に報告するものとする。 第三十一条 電子商取引プラットフォーム事業者は、プラットフォーム上で公開されている商品及びサービスや取引情報を記録及び保存し、情報の完全性・機密性・有用性を確保するものとする。 商品及びサービスに関する情報および取引情報は、取引完了の日から少なくとも3年は保存するものとする。法律・行政規則に別段の定めがある場合は、その規定に従うものとする。 第三十二条 電子商取引プラットフォーム事業者は、公開性・公平性・公正性の原則を遵守し、プラットフォームサービス契約や取引ルールを制定し、プラットフォームへのログインやログアウト、商品及びサービスの品質保証・消費者の権利利益の保護・個人情報の保護等に関する権利及び義務を明確にするものとする。 第三十三条 電子商取引プラットフォームの事業者は、プラットフォームのサービス契約および取引ルールに関する情報をトップページに目立つように継続的に表示するか、または上記情報へのリンクロゴを表示し、事業者および消費者が便利にかつ完全に閲覧およびダウンロードできるように保証するものとする。 第三十四条 プラットフォームサービス契約や取引ルールを変更する電子商取引プラットフォーム事業者は、トップページに目立つように公開してコメントを募集し、各関係者が速やかに意見を十分に表明できるような合理的な措置を講じるものとする。 変更内容は、少なくとも実施の7日前までに公開するものとする。 プラットフォーム内の事業者が変更内容を受け入れず、プラットフォームからの撤退を要求した場合、電子商取引プラットフォームの事業者はそれを阻止することはできず、変更前のサービス契約および取引ルールに基づいて、関連する責任を負うものとする。 第三十五条 電子商取引プラットフォーム事業者は、サービス規約・取引ルール・技術等の手段を利用して、プラットフォーム内の事業者の取引・取引価格・他の事業者との取引を不当に制限したり、不当な条件を付したり、プラットフォーム内の事業者に不当な費用を請求してはならないものとする。 第三十六条 電子商取引のプラットフォーム事業者は、プラットフォーム内の事業者の法律及び法規の違反行為に対して、プラットフォームのサービス規約と取引ルールに基づいて、警告・サービスの停止または終了等の措置を実施し、速やかに公開するものとする。 第三十七条 電子商取引プラットフォーム事業者は、そのプラットフォーム上で自らの事業を行う場合、自らの事業とプラットフォーム内の事業者が行う事業を明確な方法で区別して表示し、消費者に誤解を与えないようにするものとする。 電子商取引プラットフォーム事業者は、自らの事業のためにした表示について、法に基づいて、商品の販売者またはサービス提供者の民事責任を負う。 第三十八条 電子商取引プラットフォーム事業者が、プラットフォーム内の事業者が販売する商品または提供するサービスが、人身・財産の安全を保障する要件を満たしていないこと、またはその他消費者の正当な権利利益を侵害していることを知っている若しくは知るべきであるにもかかわらず、必要な措置を講じなかった場合、法に基づいて、プラットフォーム内の事業者と連帯して責任を負うものとする。 消費者の生命健康に関わる商品またはサービスについて、電子商取引プラットフォーム事業者が、プラットフォーム内の事業者の資格を審査する義務を果たさず、または消費者の安全保障義務を果たさず、消費者に損害を与えた場合、法に基づいて相応の責任を負うものとする。 第三十九条 電子商取引プラットフォーム事業者は、消費者にプラットフォーム内で販売される商品や提供されるサービスに対して評価する手段を提供するため、健全な信用評価システムを構築し、信用評価ルールを公開するものとする。 電子商取引プラットフォーム事業者は、そのプラットフォームで販売された商品や提供されたサービスに対する消費者の評価を削除してはならない。 第四十条 電子商取引プラットフォーム事業者は、商品またはサービスの価格・販売数・信用度に応じて様々な方法で消費者に商品またはサービスの検索結果を公開するものとする。競争価格によりランク付けされた商品またはサービスについては、「広告」であることを目立つように表示するものとする。 第四十一条 電子商取引プラットフォーム事業者は、知的財産権保護のためのルールを確立し、知的財産権者との協力関係を強化し、法律に基づいて知的財産権を保護するものとする。 第四十二条 知的財産権者は、自分の知的財産権が侵害されていると見做す場合、電子商取引プラットフォーム事業に通知し、削除・ブロック・リンクの切断・取引やサービスの終了などの必要な措置を講じる権利を有する。 通知には権利の侵害を確立する基本的な証拠を含むものとする。 電子商取引プラットフォーム事業者は、通知を受けた場合、速やかに必要な措置を講じ、プラットフォーム内の事業者に本通知を転送するものとする。適時に必要な措置を講じなかった場合は、プラットフォーム内の事業者と連帯して、損害の拡大部分について責任を負うものとする。 誤った通知によりプラットフォーム内の事業者に損害が生じた場合、事業者は法律に基づいて民事責任を負う。 悪意を持って誤った通知を送付し、プラットフォーム内の事業者に損害を与えた場合、その責任は2倍になる。 第四十三条 プラットフォーム内の事業者は、転送されてきたた通知の受領後、電子商取引プラットフォーム事業者に対して、権利侵害の不存在を示す声明を提出することができる。 声明書は権利侵害の不存在を示す基本的な証拠を含めるものとする。 電子商取引プラットフォーム事業者は、声明書を受領した後、通知送付先の知的財産権者に声明書を転送し、かつ関連する管轄当局に苦情の申し立てや人民裁判所での訴訟提起ができることを通告するものとする。電子商取引プラットフォーム事業者は、声明書が知的財産権者に到達してから15日以内に、権利者が告訴または訴訟を提起した旨の通知を受け取らなかった場合には、速やかに当該措置を解除するものとする。 第四十四条 電子商取引プラットフォーム事業者は、受領した本法第四十二条および第四十三条が規定する通知・声明書・処理結果を速やかに公開するものとする。 第四十五条 電子商取引プラットフォーム事業者は、プラットフォーム内の事業者が知的財産権を侵害していることを知っている、若しくは知ることができた場合には、削除・ブロック・リンクの切断、取引やサービスの終了などの必要な措置を講じるものとする。必要な措置を講じなかった場合には、侵害者と連帯して責任を負うものとする。 ↓中国電子商務法 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 中国電子商務法【参考訳】③
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 中国電子商務法【参考訳】③ 本法は2019年1月1日付で実施されました。 日本と中国間の越境ECが盛んになっていますので、越境ECに関する中国の法律文書の参考訳を掲載したいと思います。全部で89条ありますので、章ごとに分けて参考訳を掲載いたします。 本法第三条で、『国家は電子商取引の新業態の開発や発展を奨励し~』と中国政府が奨励していることを述べていますので、現時点で越境ECに従事することはチャンスかと思われます。 関連記事: 中国電子商務法【参考訳】① 中国電子商務法【参考訳】② 中国電子商務法【参考訳】③ 中国電子商務法【参考訳】④ 中国電子商務法【参考訳】⑤ 中国電子商務法【参考訳】⑥ 政策名:中国電子商務法 中国語: 中华人民共和国电子商务法 【参考訳】 第三章 電子商取引契約の締結と履行 第四十七条 電子商取引の当事者による契約の締結及び履行に際して、本章及び『中華人民共和国民法総則』、『中華人民共和合同法』、『中華人民共和国電子署名法』等の法律の規定を適用するものとする。 第四十八条 電子商取引の当事者が自動情報システムを使用して契約の締結若しくは履行する行為は、そのシステムを使用する当事者に法定効果をもたらす。 電子商取引において、当事者が相応の民事行為能力を有することと推定する。 ただし、それを覆すに十分な反証がある場合を除く。 第四十九条 電子商取引事業者が公開した商品若しくはサービスの情報がオファーの条件に合致した場合、ユーザーは商品若しくはサービスを選択し、正常に注文を送信することで、契約が成立する。 当事者に別段の取決めがある場合は、その取決めに従うものとする。 電子商取引事業者は、形式条項等で消費者が代金を支払った後で契約が不成立となるようなことをしてはならない。形式条項等に当該内容が含まれている場合、その内容は無効とする。 第五十条 電子商取引事業者は、契約締結の手順、注意事項、ダウンロード方法などを明確に、包括的に、明確にユーザーに伝え、ユーザーが容易かつ完全に閲覧及びダウンロードができるようにするものとする。 電子商取引事業者は、ユーザーが注文を送信する前に入力エラーを修正できるようにするものとする。 第五十一条 契約の対象が商品の引渡しであり、その引渡しがエクスプレスによって行われる場合、荷受人の署名がなされた時点が引渡しの時点となる。 契約の対象がサービスの提供である場合、発行された電子証明書若しくは現物の証明書に記載された時刻が引渡時刻となる。前述の証明書に時刻が記載されていない場合、若しくは記載された時刻が実際のサービス提供の時刻と一致しない場合、実際のサービス提供の時刻が引渡時刻となる。 契約の対象がオンライン伝送によって引き渡される場合は、契約の対象が相手方の指定する特定のシステムにアクセスし、検索および識別が可能となった時点を引き渡しの時点とする。 契約の当事者が引渡方法および引渡日時について別段の取決めをしている場合、その取決めに従うものとする。 第五十二条 電子商取引の当事者は、エクスプレスを利用する商品配送の取決めをすることができる。 電子商取引のためにエクスプレスのサービスを提供する物流業者は、法律及び行政法規を遵守し、合意したサービス規範及び期限に従うものとする。 エクスプレスサービスの提供者は、商品を引き渡す際に、荷受人に眼前で確認することを促すものとする。商品を第三者の受取により引き渡しとする場合は、荷受人が同意したものとする。 エクスプレスサービスの提供者は、規定に基づき環境に配慮した包装材を使用し、包装材の削減と再利用を実現するものとする。 エクスプレスサービスの提供者はエクスプレスサービスを提供する際、電子商取引事業者から代金回収サービスの委託を受けることができる。 第五十三条 電子商取引の当事者は、電子払いでの代金払いの取決めをすることができる。 電子商取引のための電子決済サービスを提供する電子決済サービス提供者は、国家規定を遵守し、電子決済サービスの機能・利用方法・注意事項・関連するリスク・料金などを利用者に知らせ、不合理な取引条件を附款してはならない。電子決済サービス提供者は、電子決済指示書が完全で、一貫性があり、監査のために追跡可能であり、改ざん不可能であることを保証するものとする。 電子決済サービス提供者は、ユーザーに帳簿の照合サービス及び直近3年間の取引記録を無料で提供するものとする。 電子決済サービス提供者が、決済のセキュリティ管理に関する国内の関連要件を遵守しない電子決済サービスを提供し、ユーザーに損失を与えた場合、その提供者は賠償責任を負うものとする。 第五十五条 ユーザーは、支払の指示を出す前に、支払の指示書に記載されている金額や受取人などの全情報の確認を行うものとする。 電子決済サービス提供者は、支払指示にエラーが発生した場合、速やかに原因を究明し、修正するための関連措置を講じるものとする。ユーザーに損害が発生した場合、電子決済サービス提供者は、決済エラーが自らの原因ではないことを証明できる場合を除き、賠償責任を負うものとする。 第五十六条 電子決済サービス提供者は、電子決済の完了後、取決めをした方法に基づいて、決済を確認する情報を適時かつ正確にユーザーに提供するものとする。 第五十七条 ユーザーは取引パスワードや電子署名データなどのセキュリティツールを適切に管理するものとする。ユーザーはセキュリティツールの紛失・盗難・不正な支払いが行われたことを発見した場合、速やかに電子決済サービス提供者に通知するものとする。 不正な支払いによって生じた損失は、電子決済サービス提供者が負担するものとする。不正な支払いがユーザーの過失によって生じたことを電子決済サービス提供者が証明できる場合には、電子決済サービス提供者は責任を負わないものとする。 電子決済サービス提供者は、決済指示が不正であることを発見した場合、若しくはユーザーの決済指示が不正により行われたものである旨の通知を受けた場合には、直ちに損失の拡大を防止するための措置を講じるものとする。電子決済サービス提供者が適時に措置を講じなかった結果、損失が拡大した場合は、損失拡大の責任を負うものとする。 ↓中国電子商務法 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 中国電子商務法【参考訳】④
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 中国電子商務法【参考訳】④ 本法は2019年1月1日付で実施されました。 日本と中国間の越境ECが盛んになっていますので、越境ECに関する中国の法律文書の参考訳を掲載したいと思います。全部で89条ありますので、章ごとに分けて参考訳を掲載いたします。 本法第三条で、『国家は電子商取引の新業態の開発や発展を奨励し~』と中国政府が奨励していることを述べていますので、現時点で越境ECに従事することはチャンスかと思われます。 関連記事: 中国電子商務法【参考訳】① 中国電子商務法【参考訳】② 中国電子商務法【参考訳】③ 中国電子商務法【参考訳】④ 中国電子商務法【参考訳】⑤ 中国電子商務法【参考訳】⑥ 政策名:中国電子商務法 中国語: 中华人民共和国电子商务法 【参考訳】 第四章 電子商取引の紛争解決 第五十八条 国家は電子商取引プラットフォーム事業者が、電子商取引の発展と消費者の権利利益の保護に資する商品またはサービスの品質を保証する仕組みを構築することを奨励する。 電子商取引プラットフォーム事業者とプラットフォーム内の事業者が消費者権益保証金の設定に合意する場合、双方は消費者権益保証金の引き出し額・管理・使用及び払い戻し方法等について明確な取決めをするものとする。 消費者の要求により、電子商取引プラットフォーム事業者が先に賠償責任を引き受け、電子商取引プラットフォーム事業者による賠償後にプラットフォーム内の事業者に求償する場合、『中華人民共和国消費者権益保護法』の関連規定を適用する。 第五十九条 電子商取引事業者は便利で効果的な苦情及び通報の仕組みを構築し、苦情や通報の方法などの情報を公開し、速やかに苦情や通報の受理かつ処理するものとする。 電子商取引に関する紛争は、協議や和解を経て、消費者団体や業界団体などの法的に設立された調停機関への調停依頼、関係部門への苦情申し立て、仲裁の要請、訴訟の提起などの方法により解決することができる。 第六十一条 消費者が電子商取引プラットフォームで商品の購入やサービスの提供を受け、プラットフォーム内の事業者との間に紛争が起きた場合は、電子商取引プラットフォーム事業者は、消費者の合法な権利利益を保護するために積極的に協力するものとする。 第六十二条 電子商取引の紛争処理において、電子商取引事業者は、原始契約書及び取引記録を提供するものとする。電子商取引事業者が前述の資料を紛失、捏造、改竄、廃棄、隠蔽または提供を拒否した結果、人民裁判所や仲裁機関または関連機関が事実を究明できなくなった場合、電子商取引事業者は相応の法的責任を負うものとする。 第六十三条 電子商取引プラットフォーム事業者は、オンラインでの紛争解決の仕組みを構築し、紛争解決ルールを作成かつ公開し、自発的に原則に基づいて、公平かつ公正に当事者間の紛争を解決することができる。 ↓中国電子商務法 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 中国電子商務法【参考訳】⑤
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 中国電子商務法【参考訳】⑤ 本法は2019年1月1日付で実施されました。 日本と中国間の越境ECが盛んになっていますので、越境ECに関する中国の法律文書の参考訳を掲載したいと思います。全部で89条ありますので、章ごとに分けて参考訳を掲載いたします。 本法第七十一条から七十三条において、国家が越境ECプラットフォーム事業者について支援する内容を記載しています。そのうち、小規模企業の越境EC参入を支援することを明文化しています。 関連記事: 中国電子商務法【参考訳】① 中国電子商務法【参考訳】② 中国電子商務法【参考訳】③ 中国電子商務法【参考訳】④ 中国電子商務法【参考訳】⑤ 中国電子商務法【参考訳】⑥ 政策名:中国電子商務法 中国語: 中华人民共和国电子商务法 【参考訳】 第五章 電子商取引の促進 第六十四条 国務院及び省・自治区・直轄市の人民政府は、電子商取引の発展を国民経済及び社会発展計画に組み込み、科学的で合理的な産業政策を策定し、電子商取引の革新的な発展を促進するものとする。 第六十五条 国務院および県級以上の地方人民政府及びその関連部門は、エコ包装・保管・輸送を支援促進し、電子商取引のエコ環境を促進するための措置を講じるものとする。 第六十六条 国家は電子商取引のインフラストラクチャーと物流ネットワークの構築を促進し、電子商取引の統計システムを完備し、電子商取引の基準システムを強化する。 第六十七条 国家は国民経済のあらゆる分野における電子商取引の適用を促進し、様々な産業との電子商取引の融合と発展を支援する。 第六十八条 国家は農業生産・加工・流通等においてインターネット技術の適用を促進し、各種社会資源に更に大きな協力を奨励し、農村部の電子商取引の発展を促進し、電子商取引は的確な貧困削減の役割を果たす。 第六十九条 国家は電子商取引のセキュリティを保護し、電子商取引のユーザー情報を保護し、電子商取引データの開発と応用を奨励し、電子商取引データの法に基づく秩序ある自由な流動を保障する。 国家は公共データの共有システムの構築を促進し、電子商取引事業者が法に基づく公共データの利用を促進するための措置を講じる。 第七十条 国家は法に基づき設立された信用評価機関による電子商取引の信用評価の実施を支援し、電子商取引の信用評価サービスを社会に提供する。 第七十一条 国家は越境電子商取引の発展を促進し、越境電子商取引の特性に適合した税関・徴税・輸出入時の検査検疫・支払・決済等の健全な管理システムを構築し、越境電子商取引の各環境面での円滑化レベルを向上させ、越境電子商取引のプラットフォーム事業者等が越境電子商取引のための倉庫物流・通関・検査サービスを提供することを支援する。 国家は小規模企業が越境電子商取引に従事することを支援する。 第七十二条 国家輸出入管理部門は、越境電子商取引の税関申告・納税・検査検疫等のワンストップサービス及び監督システムの構築を促進し、監督プロセスを最適化し、情報共有・相互認証監督・法に基づく相互支援の実現を促進し、越境電子商取引のサービス及び監督の効率を向上させるものとする。越境電子商取引事業者は、国の輸出入管理部門に電子版資料による関連手続きを申請することができる。 第七十三条 国家は異なる国や地域との越境電子商取引における交流協力の確立を促進し、電子商取引に関する国際ルールの策定に参加し、電子署名や電子IDなどの国際的な相互認証を促進する。 国家は各国や地域との越境電子商取引の紛争解決システムの構築を推進する。 ↓中国電子商務法 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 中国電子商務法【参考訳】⑥
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 中国電子商務法【参考訳】⑥ 本法は2019年1月1日付で実施されました。 日本と中国間の越境ECが盛んになっていますので、越境ECに関する中国の法律文書の参考訳を掲載したいと思います。全部で89条ありますので、章ごとに分けて参考訳を掲載いたします。 第六章は法律責任についての内容です。最後の第七章も併せて掲載しています。 関連記事: 中国電子商務法【参考訳】① 中国電子商務法【参考訳】② 中国電子商務法【参考訳】③ 中国電子商務法【参考訳】④ 中国電子商務法【参考訳】⑤ 中国電子商務法【参考訳】⑥ 政策名:中国電子商務法 中国語: 中华人民共和国电子商务法 【参考訳】 第六章 法律責任 第七十四条 電子商取引事業者が商品の販売やサービスの提供をした際、契約義務の不履行並びに契約義務は履行するものの取決めに合致していない、または他人に損害を与えたりした場合、法律に基づいて民事責任を負うものとする。 第七十五条 電子商取引事業者が本法第十二条・第十三条の規定に違反し、関連行政許可を得ずに事業活動に従事している場合、法律・行政法規で取引が禁止されている商品やサービスを販売または提供する場合、本法第二十五条に規定する情報提供義務を履行しない場合、電子商取引プラットフォーム事業者が本法第四十六条の規定に違反し、集中取引方法により取引を行うまたは標準化した契約取引を行う場合は、関連の法律及び行政法規の規定に基づいて処罰する。 第七十六条 電子商取引事業者が本法規定に違反し、下記行為の一つに該当する場合は、市場監督管理局により期限を決めて是正を命じられ、1万元以下の罰金に科される可能性もあり、また電子商取引プラットフォーム事業者は本法第八十一条第一項の規定に基づいて処罰される。 (一)営業許可証の情報や行政許可情報がトップページに目立つように公開されていない場合、市場主体等の登録を必要としない情報、または上記情報へのリンク先を公開していない場合 (二) 電子商取引の終了に関する情報をトップページに継続的かつ目立つように公開していない場合 (三) ユーザー情報の照会・訂正・削除・ユーザーアカウントの解除方法や手順を明示していない場合、或いはユーザー情報の照会・訂正・削除・ユーザーアカウント解除に不当な条件を設定している場合 電子商取引プラットフォーム事業者が前項の規定に違反したプラットフォーム内の事業者に対して必要な措置を講じなかった場合は、市場監督管理局により期限内に是正するように命じられ、2万元以上10万元以下の罰金を科されることがある。 第七十七条 電子商取引事業者が本法第十八条第一項の規定に違反して検索結果を提供した場合、または本法第十九条の規定に違反して商品またはサービスの抱き合わせ販売を行った場合、市場監督管理局は期限を定めて是正を命じ、違法所得を没収し、5万元以上20万元以下の罰金を科する。状況が深刻な場合は、20万元以上50万元以下の罰金を科する。 第七十八条 電子商取引事業者が本法第二十一条の規定に違反し、消費者に保証金の返還方法や手順を明示せず、保証金の返還に不当な条件を設定し、または適時に保証金を返還しなかった場合、関連管轄部門は期限内に是正を命じ、5万元以上20万元以下の罰金を科すことができる。状況が深刻な場合は、20万元以上50万元以下の罰金を科すことができる。 第七十九条 電子商取引事業者が、個人情報保護に関する法律及び行政法規の規定に違反した場合、または本法第三十条及び関連する法律及び行政法規に規定されているネットワークセキュリティに関する義務を履行しなかった場合、『中華人民共和国ネットワークセキュリティ法』等の法律及び行政法規の規定に基づいて処罰される。 第八十条 電子商取引プラットフォーム事業者が下記行為の一つに該当する場合は、関連管轄部門は期限を定めて是正を命じる。期限を超えても是正しない場合は、2万元以上10万元以下の罰金を科する。状況が深刻な場合は、運営停止を命じ、尚且つ10万元以上50万元以下の罰金を科する。 (一) 本法第二十七条が規定する検証及び登録の義務を履行しない場合 (二) 本法第二十八条の規定に基づいて市場監督管理局・税務部門に関連情報を報告しなかった場合 (三) 本法第二十九条の規定に基づいて法律違反に対して必要な措置を講じなかった場合、または関連管轄部門に報告しなかった場合 (四) 本法第三十一条に規定する商品及びサービス、取引情報の保管義務を履行しなかった場合 前項に定める違法行為の処罰について、法律や行政規則に別段の定めがある場合は、その定めによる。 第八十一条 電子商取引プラットフォーム事業者が本法の規定に違反し、下記行為の一つに該当する場合、市場監督管理局は期限を定めて是正を命じ、2万元以上10万元以下の罰金を科すことができる。状況が深刻な場合は、10万元以上50万元以下の罰金を科する。 (一) プラットフォームサービス規約・取引ルール情報または上記情報のリンク先をトップページの目立つところで継続的に公開していない場合 (二) 取引ルールの変更時にトップページの目立つところで意見を公募しない場合、変更内容を規定の日時に基づいて事前に公開しなかった場合、またはプラットフォーム内事業者が撤退するのを阻止する場合 (三) 自身の事業とプラットフォーム内事業者が行う事業の表示を明確に区別していない場合 (四) 消費者に対してプラットフォーム内で販売された商品や提供されたサービスの評価方法を提供していない場合、または消費者の評価を勝手に削除する場合 電子商取引プラットフォーム事業者が本法第四十条の規定に違反し、競争価格によりランク付けされた商品またはサービスを「広告」として目立つように公開しない場合は、『中華人民共和国広告法』の規定に基づいて処罰される。 第八十二条 電子商取引プラットフォーム事業者が、本法第三十五条の規定に違反した場合、プラットフォーム内の事業者のプラットフォーム内での取引・取引価格・または他の事業者との取引等に不合理な制限や不合理な条件を付した場合、またはプラットフォーム内の事業者から不合理な費用を徴収している場合は、市場監督管理局は期限を定めて是正を命じ、5万元以上50万元以下の罰金を科すことができる。状況が深刻な場合は、50万元以上200万元以下の罰金を科する。 第八十三条 電子商取引プラットフォーム事業者が本法第三十八条の規定に違反し、プラットフォーム内の事業者が消費者の合法的な権利や利益を侵害する行為に対して必要な措置を講じなかった場合、またはプラットフォーム内の事業者の資質資格の監査義務を全うせず、消費者の安全保障義務を全うしない場合は、市場監督管理局は期限を定めて是正を命じ、5万元以上50万元以下の罰金を科すことができる。状況が深刻な場合は、運営停止を命じ、50万元以上200万元以下の罰金を科すことができる。 第八十四条 電子商取引プラットフォーム事業者が本法第四十二条・第四十五条の規定に違反し、プラットフォーム内の事業者による知的財産権を侵害する行為に対して法律に基づいて必要な措置を講じなかった場合、知的財産権の関連行政部門は期限を定めて是正を命じる。期限を超えても是正が行われなかった場合、5万元以上50万元以下の罰金を科する。状況が深刻な場合、50万元以上200万元以下の罰金を科する。 第八十五条 電子商取引事業者が本法の規定に違反し、人身や財産の安全を保障する要件を満たさない商品を販売またはサービスを提供する場合、虚偽または誤解を招くような商業宣伝を行うなどの不正競争行為を行った場合、市場での支配的地位を濫用した場合、知的財産権を侵害する行為や消費者の権利利益を侵害する行為を行った場合には、関連法の規定に従って処罰される。 第八十六条 電子商取引事業者が本法に基づく違法行為を行った場合は、関連の法律及び行政法規の規定に基づき、信用情報に記録し、公開しなければならない。 第八十七条 法律に基づいて電子商取引の監督管理責任を負う部門の職員が、その職務を怠り、権限を濫用し、私情で法を曲げ不正を働き、または職務遂行上知り得た個人情報、プライバシーおよび商業機密を漏洩・販売・または不法に他人に提供した場合、法律に基づき法的責任を追及する。 第八十八条 本法の規定に違反し、治安管理に違反する行為をする者は、法に基づいて治安管理の罰を処せられる。犯罪を構成する場合は、法に基づいて刑事責任を追及する。 第七章 附則 第八十九条 本法は2019年1月1日から施行する。 ↓中国電子商務法 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- サービス貿易(非貿易/服務貿易)の税務局届け出での変更点について
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 サービス貿易(非貿易/服務貿易)の税務局届け出での変更点について 上海市税務総局のWeChat公式アカウントに、 サービス貿易(非貿易または服務貿易とも言う)の対外支払いにおける税務局への届け出の変更点 について解説がありました。 前回 は参考訳を掲載しましたので、今回は上海市税務総局の解説を紹介いたします。 目次: 1、公告名称 2、公告内容と上海市税務総局の解説 1、公告名称 公告名称:サービス貿易等項目の対外支払税務届出の関連問題に関する補充公告 公告番号:国家税務総局 国家外貨管理局公告2021年第19号 2021年6月29日に、国家税務総局及び国家外貨管理局が共同で発表する。 2、公告内容と上海市税務総局の解説 1、初回の対外支払いのみ届出が必要 国内機関および個人(以下、届出者)で、 同一契約に対して複数回の対外支払いを行う 必要がある場合は、 初回の対外支払い実施前に届出 をするだけでよい。 当公告は「40号公告」が規定する届出の基準額を変更するものではありません。 つまり、 1回の対外支払いが5万米ドル相当額を超えない場合は、届出をする必要はありません。 同一の契約に基づいて複数回の対外支払いが必要な場合、1回の対外支払いが初めて5万米ドル相当額を超える時のみ、届出が必要となります。 2、以下項目は届出が不要 (一)外国投資者が国内で直接投資し得た合法所得を国内で再投資する場合。 (二)財政予算内の機関、事業体、社会団体が行うサービス貿易や非営業性の対外支払い取引の場合。 なお、(二)の「財政予算内の機関、事業体、社会団体が行うサービス貿易や非営業性の対外支払い取引」とは、「財政部 サービス貿易や非営業性の外貨使用管理問題に関する通知」(財預【2012】410号)の第五条に列挙されている以下のケースを指します。 外国駐在機関が使用する外貨 外国で使用する外貨 留学生が使用する外貨 外国人専門家が使用する外貨 国際機関の会費で使用する外貨 救援金や寄付金で使用する外貨 外国に対する宣伝で使用する外貨 株式やファンドで使用する外貨 海外支援で使用する外貨 海外拝謁で使用する外貨 その他部門予算で決められた用途で使用する外貨 3、「届出表」の取得及び記入の簡素化 (一)オンライン税務局などを介してオンラインで記入する。 (二)各省・自治区・直轄市・計画リスト内の市に所在する税務局の公式サイトからダウンロードして記入する。 (三)管轄税務局の窓口で受け取り、記入する。 4、審査不要によるスピーディー化 届出者がどの方法を選択しても、提出された資料に不備がなく、「届出表」が完全かつ事実通りに記入されている場合、所轄税務局はその場で納税事項の審査を行う必要はなく 、 システムに「届出表」の情報を入力し、「届出表」番号と確認コードを発行する。届出者は届出完了後、「届出表」番号と確認コードを持って、外貨管理の関連規定に基づいて、銀行で対外支払いを行うことができる。 「届出表」に記入ミスなどを発見した場合 は、以下の通り処理します。 対外支払いを未だ実施していない場合 、届出者は税務局窓口或いはオンライン税務局で「届出表」の修正または廃棄を選択することができます。 既に対外支払いを実施している場合 、「届出表」を廃棄にすることはできませんが、「届出表」の修正のみ行うことは可能です。 ↓オンライン税務局での届出(我要办税-证明开具-服务贸易等项目对外支付税务备案) ↓すでに当該契約書について対外支払いの届出を出している場合は、以下の画面が表示されますので、再度届出を出す必要はありません。 関連記事: サービス貿易(非貿易/服務貿易)の税務局届出に関する変更点について【参考訳】 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 【企業所得税】刑罰や行政罰の『罰金』に関する損金算入①
上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログが、皆さまの中国子会社の財務面のサポートに繋がったり、また中国での販路拡大に少しでも役立つようでしたら幸いです。 【企業所得税】刑罰や行政罰の『罰金』に関する損金算入① 上海市税務局のWeChat公式アカウントに、 刑罰上の罰金(中国語で『罰金』)並びに行政罰上の罰金(中国語で『罰款』)について損金算入が可能かどうかの 解説がありましたので、2回に分けて紹介いたします。今回は全2回の内、1回目になります。 目次: 1,法律や行政法規に違反する場合 2,生産や経営に関する場合 1,法律や行政法規に違反する場合 結論: 法律や行政法規の違反行為について、企業所得税の損金算入は認められません。加算調整を行う必要があります。 法律や行政法規の違反行為には刑罰上の罰金と行政罰上の罰金があり、具体的には以下の通りです。 刑罰上の罰金とは? 裁判所が犯罪を起こした者に一定の金額を国に納めるよう判決を処す刑罰の方法で、財産刑の一種です。中国の刑法では追加の刑罰の一種です。 例: 企業が『虚偽の増値税専用発票を発行したことによる罪』で罰金刑に処される 行政罰上の罰金とは? 行政主体が法定の権限と手続きに基づいて、行政上の法規範に違反するが犯罪とまではいえない者に対して行政上の制裁を科す行政行為で、行政処罰の一種です。中国語では『罰款』と言います。 例: 企業が規定に従わずに申告や納税を行わなかったために、税務局に支払う罰金 税金を過少申告したために、税務局に支払う罰金および延滞金 消防設備を維持しなかったために、消防団に支払う罰金 企業などの機関の運転手が交通違反をしたために、交通警察に支払う罰金 関連規則制度に違反したために、工商部門に支払う罰金 増値税発票を紛失した際の手続きにより発生した罰金 その他、関連法律や法規の違反したために、支払う罰金など ※上記1~7の罰金は、中国語原文では全て『罰款』になります。敢えて『罰金』で訳しています。 根拠: 『中国企業所得税法』(主席令第六十三号)第十条より、課税所得額を計算する際、以下の支出は控除してはならない。 (一)投資者に支払う配当収入、所得利益配分などの権益性の投資収益額 (二)企業所得税 (三)延滞税 (四)罰金や罰款及び財産の没収による損失 (五)本法第九条に規定されている以外の寄付金支出 (六)スポンサー支出 (七)未承認の準備金支出 (八)収入と無関係なその他支出 関連記事: 【企業所得税】刑罰や行政罰の『罰金』に関する損金算入② 【最新政策】中国行政処罰法【参考訳】① 【最新政策】中国行政処罰法【参考訳】② 【最新政策】中国行政処罰法【参考訳】③ 【最新政策】中国行政処罰法【参考訳】④ 【最新政策】中国行政処罰法【参考訳】⑤ 【最新政策】中国行政処罰法【参考訳】⑥ 【最新政策】中国行政処罰法【参考訳】⑦ 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。
- 【増値税】みなし販売(売上)
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。 当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。 当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。 【増値税】みなし販売(売上) 上海市税務局のWeChat公式アカウントに 『みなし販売(売上)』の一つ『販売代行』に関する増値税 についての解説がありましたので、今回紹介いたします。 『みなし販売(売上)』の一つ『販売代行』について 販売代行のために 他の単位(企業や機関など)や個人 に商品を引き渡す場合 みなし販売(売上)として処理する。個人に商品を引き渡す場合も対象となるため留意が必要です。 たとえば、某企業が自社商品を販売代行のために個人に引き渡し、その商品が未だ個人の手元にあり販売されていなかったとしても、某企業側ではみなし販売(売上)として処理する必要があります。 ※根拠規定:『中国増値税暫定条例実施細則』(財政部 国家税務総局第50号令) 本支店 会計を採用している2箇所以上の事業所を有する納税者が、販売のために一方の事業所から他方の事業所へ商品を移動する場合 ① 事業所が 同じ県(市)など同じ地区内 に在り、同じ地区内での 移送する場合 、みなし販売(売上)にはなりません。 ② 事業所が 他の県(市)など他の地区 に在り、他方の事業所へ商品を移送する場合 、みなし販売(売上)として処理します。 他の単位(企業や組織)や個人へ無償でサービスを提供、無償で無形資産や不動資産を譲渡する場合 公共の福祉や公衆の利益のために使用される場合を除き、みなし販売(売上)として処理します。 関連記事: ④ 増値税上のみなし売上 【顧問サービスのご案内】 弊社では各種顧問サービスを提供しております。 ●月次での記帳代行 ●毎月記帳証票と会計データを日本事務所に郵送して頂き、日本事務所内でのチェック ●弊社日本人担当者が3か月に1回訪中し、顧問先様の社内での記帳証票等の往査 顧問先様のご要望にあわせてサービス内容を柔軟にカスタマイズいたします。












