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【個人所得税】非居住者個人と住所を有さない個人に関する内容

更新日:2021年8月30日

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。



当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。

 
【個人所得税】非居住者個人と住所を有さない個人に関する内容


 上海市税務局の公式微信に、非居住者個人と住所を有さない個人に関するQ&Aが掲載されており、私たち日本人にも係る内容のため紹介いたします。


Q1:中国国内に住所を有する個人について、この「住所」はどのように判定しますか?


A1:税法上の「住所」とは一種の特定概念であり、実物意義上の住居とは同等ではありません。「中国個人所得税法実施条例」第2条で、中国国内に住所を有する個人とは、戸籍、家庭、経済的利益のために中国国内に習慣的に居住する個人と規定されています。



 習慣的居住地とは、納税者が居住者個人或いは非居住者個人であることを判定する一つの法律意義上の基準であり、実際の居住地或いは特定期間内の居住地を指すわけではありません。


 

 学業、就労、親族訪問、旅行等の理由により海外に居住していたが、これらの理由がなくなったことから中国国内に戻り居住する場合、中国が当該納税者の習慣的居住地となり、中国国内に住所を有する個人となります。



 海外居住者が学業、就労、親族訪問、旅行等の理由により中国国内に居住していたが、これらの理由がなくなったことから海外に戻り居住し、その習慣的居住地が中国国内にない場合、たとえ中国国内に住居を購入していたとしても、中国国内に住所を有する個人とはなりません。

 

Q2:中国国内での居住日数と中国国内での就労日数はイコールにしてもよいでしょうか?


A2:できません。「財政部 税務総局 中国国内に住所を有さない個人の居住日数判定基準についての公告」(財税2019年第34号)より、中国国内に住所を有さない個人の一納税年度内での中国国内累計居住日数は、中国国内での累計滞在日数に基づき計算すると規定しています。

 


 中国国内での滞在が24時間を超える場合は中国国内での居住日数に入れる。中国国内での滞在が24時間に満たない場合は中国国内での居住に入れない。即ち、出国日と入国日当日は居住日数に含めないと規定しています。



 中国国内での就労日数は中国国内外での収入を分けるために重要です。「財政部 税務総局 非居住者個人と住所を有さない居住者個人が関係する個人所得税政策に関する公告」(財税2019年第35号)より、中国国内での就労期間とは個人が中国国内で就労した日数に基づき計算するとあり、中国国内で実際に仕事をしている日及び中国国内での就労期間中に享受する中国国内外での公休休暇、個人の休暇、研修を受ける日数を含めると規定しています。



 中国国内と中国国外の企業で同時に職務を担う或いは中国国外の企業でのみ職務に就く個人は、中国国内での滞在が24時間未満であっても、中国国内での就労日数を半日と見なして計算します。

 

Q3:中国国内企業でのみ就労している個人が、中国国内での就労期間中に海外出張や海外での会議に参加することになった場合、中国国内での就労日数に入れるべきでしょうか?


A3:2019年4月12日に公布された「非居住者個人と住所を有さない居住者個人が関係する個人所得税政策の問題に関する解答」より、住所を有さない個人が中国国外企業で就労していない場合、中国国外に滞在していても、中国国外での就労日数としては計算しないとしています。

 


この質問にのみ下記の参考例がありました。

例:日本人の松島さん(住所を有さない個人)は某中国企業の従業員で、通常は上海市内に勤務している。また中国国内でのみ就労しており、その他の雇用主はいない。

2019年6月と7月に、松島さんは同社の要請でリビアに派遣され2か月間の海外出張となる。現地では某工程の監督作業を行い、当該工程も恒久的施設とはならなかった。

 この松島さんの2か月間は、中国国内就労日数或いは中国国外就労日数のどちらになるか?



 解説:松島さんは中国国内企業でのみ職務に就いているため、リビアでの就労期間は中国国外での滞在ではあるが、中国国外での就労日数として計算しない。



 

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