【企業所得税】寄付金支出の税前控除について①
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【企業所得税】寄付金支出の税前控除について①

更新日:2021年8月28日

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。



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【企業所得税】寄付金支出の税前控除について①


 上海市税務局の微信公式アカウントに、企業所得税寄付金支出の税前控除について解説がありましたので紹介いたします。また関連記事に日本語の一覧表を掲載しておりますので、こちらもご覧ください。。



 全額控除可能な優遇政策もありますので税前利益が出ている企業にとっては活用度の高い政策ですが、資格を有する公益性社会組織なのか、発票や収据が確実に発行され取得できるのかなど確認要点がありますので、実施する場合は事前にご確認してください。



【原則】中華人民共和国企業所得税法 第9条より、

●企業に生じた『公益性寄付金支出』は、当期利益総額(※)の12%以内を当期課税所得額の計算時に控除できる。12%を超える部分は来期から3年間課税所得額の計算時に控除できる。

※利益総額とは、日本でいうところの『税前利益』に該当します。



 企業所得税法第9条がいうところの『公益性寄付金支出』、とは、企業が公益性社会組織或いは県クラス以上の人民政府及びその部門を介して、法律規定に一致する慈善活動や公益事業を用いた寄付金を指します。(中華人民共和国企業所得税実施条例 第51条)


 期間限定で、優遇政策として下記政策があります

① 企業・社会組織・団体が2022年冬季オリンピック・パラリンピック・テストマッチに寄贈する資金・物資・サービス支出は、企業所得税課税所得額の計算時に全額控除できる


規定:関与北京2022年冬奥会和冬残会税收政策的通知

   財政部・税務総局・海関総署 財税【2017】60号 第3条第1項


2019年1月1日から2022年12月31日まで、企業は公益性社会組織或いは県クラス(県クラス含む)以上の人民政府及びその組成部門や直属機構を介して、脱貧国を目標とする地区(※1)への扶貧寄付支出は、企業所得税課税所得額の計算時に全額控除(※2)できる。政策執行期間以内は、脱貧国を目標とする地区の脱貧国を実現するため、上述政策を継続適用する。

 ※1・・『脱貧国を目標とする地区』とは832箇所の扶貧開発事業重点県・集中特別貧国地区県(新疆阿克蘇地区6県1市は辺境地区政策を享受)や貧困村リスト記載地区を含む。

 ※2・・原文では『据実控除』となっており直訳すると実際に基づき控除であるが、全額の意味。



規定:関与企業扶貧捐贈所得税税前控除政策的公告

   財政部・税務総局 国務院扶貧弁公告 2019年第49号第1条


 上海市税務局の微信では更に当該政策の重点事項を列挙しており、必須の確認要点です。

① 法律規定に一致した慈善活動・公益事業の寄付は企業所得税の課税所得額から控除可能。

② 公益性社会組織或いは県クラス(県クラス含む)以上の人民政府及びその組成部門や直属機構を介した場合のみ、企業所得税の課税所得額から控除可能。

③ 公益性社会組織を介しての寄付の場合、これらの公益性社会組織は必ず公益性寄付の課税所得額からの控除可能資格を法に基づき取得していること。即ち公益性社会組織は財政・税務・民政部門の連合が公布する名簿に掲載されており尚且つ発生した公益性寄付支出が名簿所属年度に記載されていること。

クラス以上(クラス含む)の財政部門が印字し尚且つ寄付を受けた単位の押印がある『公益性寄付発票』を取得すること、あるいは寄付を受けた単位の押印がある『非税収入一般繳款書収据綴』を取得すること。



 ①②③は事前に確認し、④は必ず取得する必要がありますので忘れずに取得することを、ご留意ください。



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