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【増値税】電子発票の発行可能額の増額申請

更新日:5月9日

上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。

当ブログが、皆さまの中国子会社の財務面のサポートに繋がったり、また中国での販路拡大に少しでも役立つようでしたら幸いです。




目次
1.システムによる発行可能額の増額調整
2.企業や個人による税務局での増額申請
3.システムによる発行可能額の減額調整
4.その他の新しい規定

 そもそも、発票の発行可能額は企業や個人が自ら設定することはできず、税務局がその実績や納税信用ランクに基づいて設定し、一度設定されると月単位で維持されます。

 このように、発票の発行額が月単位で設定されているため、売上が大幅に増加した月には、発行可能額が予定していた発行額に達せず、不足する事態が生じる可能性があります。


 税務局はこのような事態を想定し、システム上で自動的に解決できるよう、いくつかの対応措置を講じています。しかし、実際の運用状況を考慮すると、システム上での自動解決よりも、企業や個人が管轄税務局に対して発行可能額の増額を申請するケースが多く見受けられます。


 また、新しい規定により、発票の発行額が基準に達しない場合、発行可能額が自動的に減額されるようになりました。発票の発行は企業や個人の納税者に直接的な影響を与えるため、発行可能額を把握し、発行可能額を超えた発行方法について理解しておくことが重要です。

 それでは、発票の発行可能額や増額申請の手続きについて、以下の内容を見ていきましょう!



1.システムによる発行可能額の増額調整

(1)月初における発行可能額の自動調整

 システムは自動的に、毎月初めに納税者の発票発行可能額を調整します。



(2)発行可能額の一時的な調整

 良好な納税信用ランクを有する納税者が当月発票を発行し、その発行額が発行可能額の一定割合に達した場合、システムは自動的にその納税者の当月の発行可能額を一時的に増額します。

 

 【例①】

 甲社の発行可能額は800万元です。2024年6月中旬に700万元分を発行したことにより、当月の発行可能額の一定割合に達したため、システムは自動的にリスクチェックを発動しました。

 リスクチェックの結果、問題なしと判断されたため、当月の発行可能額は一時的に900万元に増額されました。


 【例②】

 乙社の発行可能額は800万元です。2024年6月中旬に750万元分を発行し、当月の発行可能額の一定割合に達したものの、システムによる一時的な増額は行われませんでした。


※システムが増額を行わない場合もあります。その場合は、下記の「2.企業や個人による税務局での増額申請」をご参照ください。


(3)発行可能額の定期的な調整

 システムは、納税者の実績や各月の発票の発行状況など、さまざまな要因に基づいて当月の発行可能額を自動的に調整します。


【例③】

 丙社の発行可能額は750万元です。2024年7月から12月までの各月の発行額がいずれも750万元を超えたため、システムは自動的に丙社の実際の経営状況および直近6ヶ月間の発行額を基に、2025年1月1日に発行可能額を840万元に増額しました。



2.企業や個人による税務局での増額申請

 売上高の大幅な増加により、発行可能額を大幅に超える発票を発行することになった場合、企業や個人の納税者は、管轄税務局に発行可能額の増額を申請できます。管轄税務局は、申請内容に問題がないことを確認した後、納税者の申請に基づき、発行可能額を一時的に増額します。


【例④】

 A社は2024年7月初めの発行可能額が750万元でした。売上が大幅に増加したため、7月は1,200万元分の発行が必要となりました。

 システムは自動的に発行可能額を900万元まで増額しましたが、それでも不足していたため、A社は管轄税務局に当月の発行可能額を1,200万元に増額する申請を行いました。

 管轄税務局は申請内容に問題がないことを確認した後、A社の当月の発行可能額を1,200万元に増額しました。


※管轄税務局での増額申請手続きについて

 納税者は税務局のプラットフォームを通じて増額申請を行います。申請時には、申請理由を記載した状況説明書と、根拠となる書類(例:売買契約書、固定資産台帳、その他関連資料)を添付する必要があります。

(※これは上海市の場合です。各地域によって申請方法が異なることがあるため、詳細については管轄税務局に確認してください。)


根拠となる書類(例:売買契約書、固定資産台帳、その他関連資料)
根拠となる書類(例:売買契約書、固定資産台帳、その他関連資料)

根拠となる書類(例:売買契約書、固定資産台帳、その他関連資料)
根拠となる書類(例:売買契約書、固定資産台帳、その他関連資料)


3.システムによる発行可能額の減額調整

 納税者の直近12ヶ月間の発票発行額が発行可能額の80%に達しない場合、発行可能額は、直近12ヶ月間の発行額のうち最も大きい金額に基づき、自動的に減額されます。


 【例⑤】

 B社の発行可能額は40万元でした。直近12ヶ月間の発行額は32万元に達せず、最も大きな発行額は10万元だったため、発行可能額は自動的に10万元に減額されました。


※この規定は税務局から直接公表されたものではなく、報道機関や税務の専門機関による情報に基づいています。電子発票の全国展開は最近(2024年12月)に始まったため、状況に応じて規定が変更される可能性があります。


4.その他の新しい規定

① 納税者が連続12ヶ月間にわたり発票を発行していない場合、発行可能額は0元に減額されます。

② 納税者が長期にわたり税金を滞納している場合、システムは自動的に発行可能額を0元に減額します。

③ 企業が発票を半年以上発行していない場合、既存の発行可能額が50万元以上であれば、1~10万元に減額されます。

④ 納税者の仕入と売上が一致しない場合、発票の不正使用を防止し、仕入と売上のデータが正確に一致することを担保するため、その初月の発行可能額は5,000元に設定されます。


※この規定は税務局から直接公表されたものではなく、報道機関や税務の専門機関による情報に基づいています。電子発票の全国展開は最近(2024年12月)に始まったため、状況に応じて規定が変更される可能性があります。


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