上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。
当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。
当ブログが、皆さまの中国子会社の財務面のサポートに繋がったり、また中国での販路拡大に少しでも役立つようでしたら幸いです。
【企業所得税】企業所得税率が実質2.5%になりました!④
以前、当ブログにて中国政府による新たな減税政策(年間課税所得額が100万元以下の場合は適用される企業所得税率が2.5%になる)について紹介しました。しかし、当時は年間課税所得額が100万元を超過した場合についての政府の発表はありませんでした。2022年3月14日に、年間課税所得額が100万元超から300万元以下の場合の企業所得税率について発表がありました。以下に発表内容や要件等について解説いたします。
目次:
①対象企業、対象期間
②内容
③参考訳
①対象企業、対象期間
対象企業:小規模企業(中国語で小型微利企业)
小規模企業とは下記4つの要件を満たす企業です。
① 国家が制限や禁止をする事業に従事していない。
② 年間課税所得額が300万元以下。
③ 従業員数が300人以下。
④ 総資産が5,000万元以下。
『4つの要件を全て満たす』というと要件を厳しく感じるかもしれませんが、肌感覚では中国進出日系企業の多数が該当するものと思われます。
対象期間:2022年1月1日から2024年12月31日まで
(2021年度の企業所得税の確定申告は対象外になります。)
関連記事:
②内容
年間課税所得額が100万元超から300万元未満の企業所得税率は、5%です。
規定より、年間課税所得額に25%を乗じた金額に小規模企業の税率20%を乗じて企業所得税を納税する、となっています。
つまり、25%×20%=5%となり、実際の税率は5%になります。
【例】年間課税所得額が190万元の場合、2段階で計算し、7万元が納付すべき税額です。
①100万元×12.5%×20%=2.5万元(簡易式では、100万×2.5%=2.5万元)
②90万元×25%×20%=4.5万元(簡易式では、90万×5%=4.5万元)
2.5万元+4.5万元=7万元
③参考訳
小規模企業の発展をさらに支援するため、関連する税制を以下の通り発表します。
1.小規模企業の年間課税所得が100万元を超え300万元以下の部分は、年間課税所得額に25%を乗じた金額に小規模企業の税率20%を乗じて企業所得税を納税する。
2.本公告の小規模企業とは、国家が制限または禁止していない産業に従事する企業で、尚且つ年間課税所得が300万元以下、従業員数が300人以下、総資産が5000万元以下という三つの条件を満たす企業を指す。
従業員数には、企業と労働関係を結んだ従業員の数および企業が労働者派遣を受け入れた労働者の数を含む。従業員数および総資産の基準は、企業の四半期ごとの平均値によって決定されるものとする。具体的な計算式は以下の通り。
四半期平均=(期首+期末)÷2
年間四半期平均=年間四半期平均の合計÷4
企業が年の途中で事業活動を開始または終了した場合、実際の事業期間を課税年度として上記の基準を決定する。
3、本発表の実施期間は、2022年1月1日から2024年12月31日までとする。
MTACではクライアント様のご要望によりそった様々なサービスを提供しております。
●月次の帳簿チェック
●中国子会社の法人設立、登記変更、撤退の手続き
●日本語、中国語の翻訳サービス
●中国会計税務に関するご相談サービス
まずはお気軽に、ご相談ください。(日本語、中国語どちらでもOK)
Comments