【企業所得税】支払い済みだが発票未取得時は、損金算入できるか?

更新日:2021年11月16日

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

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【企業所得税】支払い済みだが発票未取得時は、損金算入できるか?


 上海市税務総局のWeChat公式アカウントに、支払い済みだが発票未取得の場合に損金算入が可能かどうかに関してQ&Aがありましたので、紹介いたします。



 ほんの数年前までは財務担当者も税務局も口揃えて『できない』と言っていましたが、現在は会計と税務の概念がきちんと分かれていることが、今回のQ&Aからも分かります。



 QA目次:
Q1:当社は20217月末に広告宣伝費が発生し、広告代理店への支払いは済んでいますが、先方は未だ発票を発行していません。10月は企業所得税の第三四半期申告がありますが、当該支出を損金算入しても良いでしょうか?
Q2A1についての続きになりますが、翌年の確定申告までに取引先からの発票の提供がなく、翌年以降の取得となる場合は、当期は損金算入できないのでしょうか?
Q3:企業との雇用契約期間中に生じた社会保険料の未納額は、自分で追納することはできますか?



【Q&A】

Q1:当社は2021年7月末に広告宣伝費が発生し、広告代理店への支払いは済んでいますが、取引先は未だ発票を発行していません。10月は企業所得税の第三四半期申告がありますが、当該支出を損金算入にしても良いのでしょうか?



A1:損金算入にしても良いです。

 企業は、当年度に実際に発生した関連原価や費用について、様々な理由により原価や費用の有効な証憑を適時に入手できない場合、企業所得税の四半期申告時は、帳簿上で発生した金額にて一時的に計算することができます。但し、翌年の確定申告時までには、当該原価や費用の有効な証憑を補完する必要があります。



根拠:『企業所得税に関する若干の問題についての公告』(国家税務総局公告2011年第34号)


 

Q2:A1についての続きになりますが、翌年の確定申告までに取引先からの発票の提供がなく、翌年以降の取得となる場合は、当期は損金算入できないのでしょうか?



A2:必ずしもそうとは限りません。発票を取得した年度によります。但し、5年が限度です。

 本弁法第十五条に規定する事項を除き、企業が過年度に発票やその他の外部証憑を入手すべきであったにもかかわらず入手せず、対応する支出がその年度の損金算入になっていない場合、以降年度に本弁法第十四条の規定に従って発票やその他の外部証憑を入手するか、またはその費用の信憑性を証明できる関連資料を提供することができる場合、当該支出は当該支出が発生した年度まで遡って損金算入することができます。

 ただし、損金算入できる遡及期間は5年を超えることができません。



 根拠::『企業所得税の税前控除のための証憑管理に関する弁法』に関する発表(国家税務総局公告2018年第28号)



 

Q3:当社は2021年8月に有名デザイナーと契約を締結しましたが、そのデザイナーが個人の場合は、彼は損金算入の証憑としての発票を提供する必要があるのでしょうか?



A3:必ずしもそうとは限りません。契約金額や支払いの頻度などによって総合的に判断します。

 取引相手が法律により税務登記を行う必要のない組織体或いは小規模な散発的事業に従事する個人である場合、その支出については、税務当局の代理発行による発票または代金の受領証および内部証憑を損金算入の証憑とします。

 また代金受領証には、受領側の企業名、個人の氏名および身分証番号、支出項目、受領金額、その他の関連情報が記載されている必要があります。  



  小規模な散発的事業の判断基準は、事業に従事している個人の課税品目の売上高が、増値税の関連政策の徴収開始となる額を超えていないことです。



 根拠::『企業所得税の税前控除のための証憑管理に関する弁法』に関する発表(国家税務総局公告2018年第28号)



 

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