【企業所得税】従業員教育費について 
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【企業所得税】従業員教育費について 

上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。

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【企業所得税】従業員教育費について




 従業員教育費とは、従業員が先端技術を学ぶことや従業員の教育水準を向上させることを目的に企業が負担するものであり、企業所得税の課税所得額の計算において賃金総額の一定割合が損金として認められています。今回は従来の割合と現在の割合について解説いたします。

 


目次:
1、従来の割合・・・2.5%
2、現在の割合・・・8%
3、従業員教育費の範囲

1、従来の割合・・・2.5%

 『中国企業所得税法実施条例』第42条より、

国務院財政、税務主管部門が別段の定めをしない限り、企業が支出した従業員教育費のうち、給与総額の2.5%までを損金として認め、2.5%を超える金額は次年度以降に繰り越して損金算入することを認める、と規定されています。


 その後、中国政府は特定の産業に対して強化を図るために2.5%ではなく8%を適用する優遇政策を実施しましたが、2018年1月1日からは全ての企業に対して8%が適用されるようになりました。


2、現在の割合・・・8%

 『企業従業員教育費の損金算入政策に関する財政部および国家税務総局の通達』より、

2018年1月1日から、企業が支出した従業員教育費のうち、給与総額の8%までを損金として認め、8%を超える金額は次年度以降に繰り越して損金算入することを認める、と規定されています。


 これより、2018年1月1日から現在に至るまで、特定の産業であるか否かにかかわらず、すべての企業において、従業員教育費は給与総額の8%までが課税所得額の計算において損金算入できるようになりました。


3、従業員教育費の範囲

  『企業における従業員の教育費の支出及び使用管理に関する意見』第3条第5項より、

従業員教育費の範囲について以下の通りに規定しています。


1、職務に就くためや配属変更のための訓練

2、各種職務適応訓練

3、職業訓練、職業技術レベル訓練、高度技能者訓練

4、専門技術者の継続教育

5、特殊作業者訓練費

6、企業による従業員向け社外研修費

7、従業員が参加した職業技能検定及び職業資格認証等の費用

8、教育設備や施設の購入費

9、従業員の独学奨励費用

10、従業員の教育訓練に関する管理費

11、従業員教育に関するその他の費用



 なお、従業員教育費とは別に、『研修費(中国語で「培訓費」)』に関して『国家機関培訓費管理弁法』という規定もありますが、これは国家機関やその下部機関に属する公務員の研修費に関する規定です。

 日系進出企業のような事業体は、やはり『企業従業員教育費の損金算入政策に関する財政部および国家税務総局の通達』や『企業における従業員の教育費の支出及び使用管理に関する意見』にもとづき処理する方が望ましいと思います。


 

企業従業員教育費の損金算入政策に関する財政部および国家税務総局の通達(財税【2018】51号)


【参考訳】

 各省、自治区、直轄市、計画リストに掲載の市財政庁(局)、国家税務局、地方税務局、新疆生産建設兵団財政局:


 企業による従業員教育への投資拡大を奨励するため、企業の従業員教育費に対する損金算入政策を以下の通り通知する。


 一、企業が支出した従業員教育費は、企業所得税の課税所得を計算する際に給与総額の8%までの損金算入を認める。8%を超える金額は、翌年以降に繰り越すことができる。


 二、本通達は、2018年1月1日以降に施行される。

 

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