中国の銀行カードによる国外での現金引出額超過の場合
更新日:2021年8月27日
中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。
当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。
当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。
中国の銀行カードによる国外での現金引出額超過の場合

中国の各銀行が発行する銀行カードは、日本でも決済に利用できますし、またセブンやゆうちょなどのATMでは日本円での現金引出ができます。とりわけ、セブンやゆうちょなどのATMでの日本円での現金引出は、利便性が高いことから利用される機会も多いかと思います。
しかしながら、日本円での引出が便利なことから頻繁に使用した結果、
日本のATMでの現金引出ができなくなった!
さらには使用できなくなった年の翌年も、現金の引出ができない!
という声を度々耳にします。
そこで当ブログでは、引出限度額や超過した場合のペナルティについて紹介いたします。
1日の引出限度額と年間の引出累計額?
1日の引出限度額は、10,000元相当(超えてはいけないと記載あり)
年間の引出累計額は、10 万元相当(超えてはいけないと記載あり)
カードを複数枚所有していても合算での累計額になりますので注意が必要です。
※私見になります。年間の引出累計額は10万元相当と規定されていますが、実際はもっと少ないのではないかと思っております。
年間の引出累計額を超過するとどうなるか?
当年と翌年の2年間は現金引出ができなくなります。
『国家外貨管理局 銀行カードの国外での大口現金引出取引に関する通知』が公布される前は、年間の引出額を超過していても、新年度が始まると現金引出ができるように戻りましたが、当規定が公布されてからは当年と翌年の2年間は引出が完全に出来なくなりました。
そのため、年間の引出累計額を確認しながら引出すことをお勧めいたします。
【根拠となる規定】
国家外貨管理局 銀行カードの国外での大口現金引出取引に関する通知( 匯発【2017】29 号)

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