上海MTAC、合同会社MTACジャパンの太田です。
当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。
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中国の銀行カードによる国外での現金引出額超過の場合
中国の各銀行が個人に対して発行するキャッシュカードは、日本でも決済に利用できますし、またセブンやゆうちょなどの各銀行のATMで日本円を引き出すことができます。
両替の手間が不要であったり、引き出す際の手数料が安価なことから各銀行のATMでの現金引き出しをご利用される機会も多いのではないでしょうか。
しかしながら頻繁に引き出した結果、
急にATMで引き出せなくなった!
使用不可と表示された!
さらには使用できなくなった年の翌年も、日本で現金を引き出せない! といった声をたびたび耳にします。
そこで今回は、引き出し限度額や引出限度額を超過した場合のペナルティについて紹介いたします。
国外で1日に引き出せる限度額と年間の引き出し限度額は?
外貨管理局の規定によると、以下の通りです。
各カードの1日あたり引き出せる限度額は、1万元相当を超えないこと
年間の引き出し限度額は、総額で10 万元相当を超えないこと
キャッシュカードを複数枚所有している場合は、各カードで引き出した金額を合算した総額になります。カード1枚につき総額で10万元相当ではありませんので注意が必要です。
【根拠となる規定】
銀行キャッシュカードによる海外での大口現金引き出し取引制限に関する国家外貨管理局の通達( 匯発【2017】29 号)
年間の引出限度額を超過するとどうなるか?
現金の引き出しができなくなった年とその翌年の2年間は、国外での現金の引き出しができなくなります。ただし国外での現金の引き出しができなくなるのであり、国内では通常通り使用できます。
『銀行キャッシュカードによる海外での大口現金引き出し取引制限に関する国家外貨管理局の通達』が施行される前は暦年で制限が解除されていましたので、国外で現金の引き出しができなくなった年の翌年からは元通りに現金の引き出しができていました。
しかしながら当規定が施行されてからは、現金の引き出しができなくなった年とその翌年の2年間は完全に国外での現金の引き出しができなくなりました。
日本のATMで日本円を引き出すことは両替の手間がなく、手数料も安価なことから非常に便利ではありますが、やはり年間の引き出し限度額にはくれぐれも注意しながらご利用することをお勧めいたします。
【根拠となる規定】
銀行キャッシュカードによる海外での大口現金引き出し取引制限に関する国家外貨管理局の通達( 匯発【2017】29 号)
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