中国の社会保険料の未納分について、追納できるか?
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中国の社会保険料の未納分について、追納できるか?

更新日:2021年10月25日

中国販路拡大コンサルタントの太田早紀です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。



当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。

 
中国の社会保険料の未納分について、追納できるか? 


今回の上海税務局のWeChat公式アカウントに、様々なパターンでの社会保険料の未納や追納に関するQ&Aがありましたので紹介いたします。



 なお、社会保険料のうち主となる『養老保険(※)』と『医療保険』で未納による影響が異なりますが、今回のQ&Aでは『養老保険』についてのみの言及されていますので、ご了承ください。

 ※養老保険とは、日本の年金のような制度です。



Q&A目次:
Q1:退職後に無職になり、また社会保険料の納付を中断してしまいましたが、追納可能でしょうか?
Q2:フリーターになり、また社会保険料の納付を中断してしまったことにより生じた未納額について追納できますか?
Q3:企業との雇用契約期間中に生じた社会保険料の未納額は、自分で追納することはできますか?
Q4:社会保険料の納付を中断してしまった場合、これまでに納付してきた『養老保険料』はゼロになってしまいますか?
Q5:社会保険料の納付について中断期間が複数回ありますが、『養老金』の受給に影響しますか?


【Q&A】

Q1:退職後に無職になり、また社会保険料の納付を中断してしまいましたが、追納可能でしょうか?


A1:追納は出来ません。

未納額の追納が可能なパターンは、企業に生じた社会保険料の未納額のみになります。

 

Q2:フリーターになり、また社会保険料の納付を中断してしまったことにより生じた未納額について追納できますか?


A2:追納出来ません。

 国や本市(※)の関連政策により、フリーターは社会保険料を毎月納付する必要があるため、後から遡って納付することで納付年数を増やすことはできません。

(上海MTACの加筆:※上海市税務総局のWeChat公式アカウントのため、ここでは上海市を指すとみられます。)

 

Q3:企業との雇用契約期間中に生じた社会保険料の未納額は、自分で追納することはできますか?


A3:追納は出来ません。

 企業に生じた未納額は企業のみ追納可能です。企業に未納額が生じている場合は速やかに追納をすることをお勧めいたします。

 

Q4:社会保険料の納付を中断してしまった場合、これまでに納付してきた『養老保険料』はゼロになってしまいますか?


A4:そのようなことはありません。

 関連規定より、基本養老保険に加入し、法定の定年退職年齢まで保険料を累積15年間納付してきた個人は、毎月基本養老金を受給することができます。

 累積15年間とは、個人が規定に基づき『養老保険』を納付してきた『通算年数』であり、『連続年数』ではありません。

 

Q5:社会保険料の納付について中断期間が複数回ありますが、『養老金』の受給に影響しますか?


A5:受給には影響ありません。

 中断期間前後の納付年数は累積されます。連続して納付することは要件ではありません。

 養老保険の原則は、『納付額が多ければ多いほど受給できる養老金が多くなる』であり、納付年数が長く、納付水準が高いほど、将来的に受給できる養老金が多くなります。これより受給には影響がなくても、受給額には影響が生じる可能性があります。


 

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