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【会計】親子ローン(外債)の記帳について

更新日:2023年8月15日

上海MTACの太田です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。


当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。





【会計】親子ローン(外債)の記帳について
目次:
①銀行やその他金融機関からの借り入れ
②関連会社も含めた他企業からの借り入れ

 中国子会社が日本親会社から借り入れをしたとき、いわゆる外債登記の一つの『親子ローン』を導入したときの会計処理について質問がありましたので、解説いたします。


 まず前提として中国式会計は、銀行やその他金融機関からの借り入れと関連会社も含めた他企業からの借り入れで会計処理が異なります。


 中国子会社が日本親会社から借り入れをしたとき、いわゆる外債登記の一つの『親子ローン』については、日本親会社が銀行やその他金融機関ではなく、親会社であっても別会社であることから関連会社も含めた他企業からの借り入れに含まれます。


 この関連会社も含めた他企業からの借り入れについては、日本式の会計処理や概念とは異なることから不思議に思われるかもしれません。

 しかしながら国が違えば文化や言葉が違うものであり、それは会計上の慣習や会計処理にも言えることですので、そのことを念頭においてご一読いただければ幸いです。



①銀行やその他金融機関からの借り入れ

 

借入金の仕訳(1)銀行やその他金融機関から借入金が振り込まれたとき

借方

貸方

銀行預金

10,000

短期借入金

OR

長期借入金

10,000

返済期限が1年を超える場合は長期借入金にし、1年以内の場合は短期借入金になります。


 

借入金の仕訳(2)借入金を返済するとき(利息も同時に支払う場合)

借方

貸方

短期借入金

OR

長期借入金

10,000

銀行預金

10,500

財務費用-支払利息

500


借入金の仕訳(3)利息を未払計上するとき

借方


貸方

​財務費用-支払利息

500

未払利息

500


借入金の仕訳(4)長期借入金の返済期限が1年以内になったとき

借方

貸方

長期借入金

10,000

短期借入金

10,000



②関連会社も含めた他企業からの借り入れ

借入金の仕訳(1)関連会社も含めた他企業から借入金が振り込まれたとき

借方

貸方

銀行預金

10,000

その他未払金

10,000

中国式会計では、企業間の借り入れは、その他未払金で会計処理をします。これは貸す側の企業が銀行や金融機関ではないこと、または経営範囲に金融機関に関する項目がないことから金融機関からの借り入れに該当しないためです。

(※非金融機関からの借り入れが合法かどうかについては、本記事では言及しません。)


借入金の仕訳(2)関連会社も含めた他企業に対して、借入金を返済するとき(利息も同時に支払う場合)

借方

貸方

その他未払金

10,000

銀行預金

10,500

財務費用-利息支出

500

 

借入金の仕訳(3)利息を未払計上するとき

借方

貸方

財務費用-支払利息

500

未払利息

500


 さて、冒頭の中国子会社が日本親会社から借り入れをしたとき、いわゆる外債登記の一つの『親子ローン』については、日本親会社が銀行やその他金融機関ではなく、親会社であっても別会社であることから関連会社も含めた他企業からの借り入れに含まれます。これにより、一般的にはその他未払金にて会計処理します。


 または借り入れに関する勘定科目についての規定が特にあるわけではないので、『親子ローン』の会計処理をその他未払金のかわりに短期借入金や長期借入金とすることもあります。

 そうはいっても、実務上は会計監査の際に監査担当者から『その他未払金』に振り替えるようにとの指導が入ることもありますので、そこは中国の会計上の慣習なのだと思って頂ければ良いかと思います。


 

弊社MTACでは各種の顧問サービスを提供しております。

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