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【増値税・個人所得税・企業所得税】三代手数料について、非貿易送金時に源泉徴収した各種税金は対象?

更新日:1月23日

こんにちは。上海MTACおよび合同会社MTACジャパンの太田です。

このブログでは、中国における会計・税務・労務の規定や実務について、わかりやすく解説しています。中国現地法人の財務管理のご参考として、また中国での販路拡大の一助となれば幸いです。



本稿では、中国に進出する日系企業の実務においてしばしば問題となる「三代手数料」を取り上げ、その概要や種類、源泉徴収との関係、申請方法等を整理するとともに、関連通知の参考訳を紹介します。


目次
1.三代手数料とは
2.三代手数料の種類
3.中国進出日系企業における源泉徴収の主な対象
4.申請方法および申請期間
5.『源泉徴収・納付代行・徴税請負にかかわる手数料のさらなる管理強化についての通知
 (財行〔2019〕11号)』参考訳(当該規定はすでに廃止)


1.三代手数料とは


中国の制度の一つとして、源泉徴収義務者や徴税請負人が税務機関に代わって各種税金を徴収した場合、税務機関からその報酬として、徴収した税額に応じた代行手数料が支払われます。


この代行手数料は一般に「三代手数料」と呼ばれており、各種税金の徴収については、以下の三つの代行方法が定められています。すなわち、

  • 源泉徴収(中国語:代扣代缴)

  • 納付代行(同:代收代缴)

  • 徴税請負(同:委托代征)

の三類型です。いずれも名称に「代」の字を含む点が特徴とされています。



2.三代手数料の種類


前述のとおり、「三代手数料」には、以下の三種類の代行方法が定められています。


1.源泉徴収(中国語:代扣代缴)

源泉徴収義務者である企業または個人が、納税義務者に支払う収入から所定の税金を差し引き、その税額を税務機関に納付する方法です。


2.納付代行(中国語:代收代缴)

企業または個人が、納税義務者から直接受領した税金を、税務機関に納付する方法です。


3.徴税請負(中国語:委托代征)

税務機関が、小口取引や分散地域、または外地における徴税を、取引に関係する企業や徴税請負人に委託する方法です。



3.中国進出日系企業における源泉徴収の主な対象


三種類の代行方法のうち、中国に進出する日系企業が通常の事業活動において実務上対応するケースが最も多いのは、源泉徴収(中国語:代扣代缴)です。


源泉徴収の主な対象となるのは、個人所得税のほか、非居住者等に対して中国国内で発生する各種源泉徴収税です。具体的には、企業所得税、増値税が該当します。


では、非居住者等に対して源泉徴収税がどのような場合に発生するのかというと、日系企業の実務においては、非居住者への非貿易送金が、最も一般的なケースとして挙げられます。


三代手数料の概要(源泉徴収に関するもの)

  • 手数料率:各種税金の 2%

  • 手数料の上限額年間70万人民元


対象となる主な税目

  • 個人所得税

  • 非居住者等に対して中国国内において源泉徴収の対象となる各種税金 (企業所得税、増値税等)



4.申請方法および申請期間


三代手数料の申請方法は、「個人所得税」「その他の税目」とで手続きが異なります。


個人所得税に係る手数料については、個人所得税専用の電子税務局を通じて申請します。


一方、その他の税目(企業所得税、増値税など)に係る手数料については、通常の電子税務局を利用して申請します。申請画面の一例としては、以下のような画面構成となります。


申請画面の一例としては、以下のような画面構成となります。

電子税務局の機能は頻繁にアップデートされているため、実際の操作画面や手順が本稿掲載時点と異なる場合があります。


電子税務局(オンライン税務局)
電子税務局(オンライン税務局)

電子税務局の機能は頻繁にアップデートされているため、実際の操作画面や手順が本稿掲載時点と異なる場合があります。
電子税務局の機能は頻繁にアップデートされているため、実際の操作画面や手順が本稿掲載時点と異なる場合があります。

三代手数料の申請期間について

三代手数料は、前年度(1月1日~12月31日)に実施した源泉徴収、納付代行および徴税請負に関して、翌年3月31日までに申請することができます。

申請期間内に手続きを行わなかった場合、税務機関は三代手数料を受領する権利を放棄したものとみなし、その後、三代手数料は支払われません。


三代手数料申請に関する実務上の注意

実務上、個人所得税に係る三代手数料については、未申請の場合に、税務機関から事業者等の財務担当者へ連絡が入るケースがあります。

一方で、その他の税目(企業所得税、増値税など)については、税務機関から個別に連絡が入ることはなく、企業等による自主的な申請に委ねられています。

このため、三代手数料の申請漏れが生じないよう、十分な注意が必要です。




5.『源泉徴収・納付代行・徴税請負にかかわる手数料のさらなる管理強化についての通知 (財行〔2019〕11号)』参考訳(当該規定は既に廃止)


当該規定は既に廃止されております。


各省、自治区、直轄市および計画単列市の財政庁(局)、国家税務総局の各省・自治区・直轄市・計画単列市の税務局、中国人民銀行上海総部ならびにその各支店、営業管理部、各省会(省都)都市中心支店および各副省級都市の都市中心支店宛て:


源泉徴収、納付代行および徴税請負(以下、「三代」という)に係る手数料については、『中華人民共和国予算法』、『中華人民共和国徴税管理法』およびその他の関連法令・行政法規に基づき管理されているところであるが、今般、「三代」手数料の管理をさらに強化するため、以下のとおり通知する。


一.「三代」の範囲

(一)代扣代缴(源泉徴収)

代扣代缴とは、税収に関する法律および行政法規において、源泉徴収義務を負うことが明確に規定されている単位および個人が、支払時に、税務機関に代わって、納税義務を負う単位および個人に支払う収入から税金を控除し、これを税務機関に納付する行為を指します。


(二)代收代缴(納付代行)

代收代缴とは、税収に関する法律および行政法規において、徴収義務を負うことが明確に規定されている単位および個人が、金銭を受領する際に、税務機関に代わって、納税義務を負う単位および個人から税金を徴収し、これを税務機関に納付する行為を指します。


(三)委托代征(徴税請負)

委托代征とは、『中華人民共和国税収徴収管理法』およびその実施細則に基づき、税収管理の強化および納税の便宜を図るため、双方の自発的意思、簡便な徴収、管理の強化および法に基づく委託の原則ならびに国家の関係規定に従い、税務機関が、零細・分散・異地で納付される税金の徴収を、関係する単位および人員に委託する行為を指します。


二.「三代」の管理

税務機関は、『中華人民共和国税収徴収管理法』およびその実施細則に関する規定ならびに「放管服(規制緩和・管理強化・サービス向上)」改革に関する要求を厳格に遵守し、「三代」業務を実施しなければなりません。


税務機関は、法律、行政法規および国家税務総局の関係規定に基づき、「三代」を担う単位または個人を確定するものとし、独自に「三代」の範囲を拡大したり、「三代」税款手数料の支払割合を引き上げたりしてはなりません。


(一)税務機関は、国家税務総局の関係規定に基づき、代扣代缴(源泉徴収)および代收代缴(納付代行)の義務を負う徴収義務者について、登録手続きを行わなければなりません。

また、法律または行政法規において、代扣代缴または代收代缴の税金に係る義務が規定されていない単位および個人に対して、税務機関は、これらの義務の履行を求めてはなりません。


(二)税務機関は、法律、行政法規および国家税務総局の委託徴収に関する規定を厳格に遵守し、委託徴収の範囲を確定しなければなりません。法律または行政法規により、すでに代扣代缴または代收代缴が定められている税金について、これを他者に委託して徴収させてはなりません。


(三)割合に基づいて「三代」手数料を支払う必要がある場合、税務機関は、「三代」を担う単位または個人の手数料率を確定するに当たり、税収コストの低減の観点から、当該単位または個人の業務量、業務コスト等の要素を十分に考慮し、合理的な手数料支払割合を確定しなければなりません。必要に応じて、関係規定に定める支払割合の範囲内で、手数料の支払限度額を設定することができます。


三.「三代」手数料の支払割合および限度額

(一)法律または行政法規により定められた代扣代缴(源泉徴収)税金については、税務機関は、源泉徴収税額の2%を超えない割合で手数料を支払うものとします。また、単一の源泉徴収義務者に対する年間の支払上限額は70万元とし、これを超える部分については支払われません。法律または行政法規において手数料の割合が明確に定められている場合には、当該規定に従って実施されます。


(二)法律または行政法規により定められた自動車税および船舶税の代收代缴(納付代行)については、税務機関は、代行して徴収した税額の3%を超えない割合で手数料を支払うものとします。


(三)法律または行政法規により定められた委託加工に係る消費税の代收代缴(納付代行)については、税務機関は、代行して徴収した税額の2%を超えない割合で手数料を支払うものとします。ただし、委託者と受託者との間に関連関係が存在する場合には、当該代行手数料は支払われません。この関連関係の有無は、『中華人民共和国企業所得税法』およびその施行条例の関係規定に基づいて判断されます。


(四)法律または行政法規により定められたその他の税金の代收代缴(納付代行)については、税務機関は、代行して徴収した税額の2%を超えない割合で手数料を支払うものとします。


(五)税務機関が交通運輸部門の海事管理機関に船舶税・車船税の徴税を委託する場合には、税務機関は、代行して徴収した税額の5%を超えない割合で手数料を支払うものとします。


(六)税務機関が車両購入税の徴収を代理人に委託する場合には、税務機関は、車両1台につき15元の手数料を支払うものとします。


(七)税務機関が証券取引所または証券登録決済機関に証券取引印紙税の徴税を委託する場合には、税務機関は、代行して徴収した税額の0.03%を超えない割合で代行手数料を支払うものとします。また、単一の代行徴収主体に対する年間の支払上限額は1,000万元とし、これを超える部分については支払われません。さらに、関係単位に印紙税票の代理販売を委託する場合には、代理販売額の5%を超えない割合で手数料を支払うものとします。


(八)税務機関が郵政部門に税金の徴税を委託する場合には、税務機関は、代行して徴収した税額の3%を超えない割合で手数料を支払うものとします。


(九)税務機関が、農産品市場、専門市場等における税収、またはその他の零細・分散・異地で納付される税収について代行徴収を委託する場合には、税務機関は、代行して徴収した税額の5%を超えない割合で手数料を支払うものとします。



四.手数料の管理について

(一)予算管理

1.「三代」税金手数料は予算管理の対象とし、財政部門が予算支出を通じて統一的に手配するものとします。

ただし、法律または行政法規に別段の定めがある場合には、当該法律または行政法規の規定に従って実施されます。


2.「三代」税金手数料は年次で実績に基づき清算するものとします。

代扣代缴・代收代缴の徴収義務者および代征人は、毎年3月30日までに、前年度分の「三代」税金手数料の申請に関する関連資料を税務機関に提出しなければなりません。

「三代」を担う単位または個人の自己都合により期限内に申請が提出されなかった場合には、前年度分の「三代」税金手数料を自動的に放棄したものとみなされます

各級の税務機関は、「三代」税金手数料の申請状況を厳格に審査し、翌年度の部門予算編成の根拠とする必要があります。


3.代扣代缴・代收代缴の徴収義務者および代征人が、年度内に徴収義務または代征関係を終了した場合には、終了日から3か月以内に手数料の申請資料を税務機関に提出しなければなりません。税務機関は、これに基づき手数料の清算手続を行うものとします。


4.各級の税務機関は、『中華人民共和国予算法』、『予算管理制度の改革の深化に関する国務院の決定』および財政部が定める部門予算編成に関する手続および要求に従い、「三代」税金手数料の申請状況を実情に即して翌年度の部門予算に計上しなければなりません。


教育費付加に係る手数料予算は、代扣代缴、代收代缴および代征により配分された正税に係る手数料割合に基づいて作成されます。


各級の税務機関は、財政部派出の各地財政監察専員弁公室と積極的に連携し、部門予算の監督管理業務を実施する必要があります。


5.財政部は、承認された「三代」税金手数料の予算に基づき、適時に資金使用計画を承認するものとします。各級の税務機関は、「三代」税金手数料を主体的かつ適時に支払う必要があります。

6.「三代」税金手数料について、当年度予算に不足が生じた場合には、翌年度予算により補填します。繰越額は翌年度に引き続き使用するために留保し、剰余額については、規定に従い中央財政に納付するものとします。


7.各級の税務機関は、「三代」税金手数料に係る予算パフォーマンス管理を強化し、科学的にパフォーマンス目標を設定するとともに、評価方法を改善し、評価の質を高め、評価結果の活用を強化する必要があります。


(二)会計管理

1.各級の税務機関は、行政事業単位における会計処理に関する関連管理規定に従い、「三代」手数料について、適時かつ包括的で完全な会計処理を行わなければなりません。


2.各級の税務機関は、財政部が定める部門別決算の作成および審査に関する要求に基づき、「三代」手数料について、真実性、正確性、包括性および適時性を確保した決算を作成するとともに、決算審査に関する関連業務を適切に実施しなければなりません。


(三)支払管理

1.税務機関は、国庫集中支払制度および本通知の規定に従い、「三代」手数料を支払わなければなりません。


2.税務機関は、単位または個人が、法律、行政法規または委託代徴協定の規定に従って代扣(源泉徴収)・代收(納付代行)・代征(徴税請負)の義務を履行していない場合には、「三代」手数料を支払ってはなりません。


3.税務機関相互間で委託された税金の代徴については、手数料を支払ってはなりません


4.「三代」を担う単位が取得した手数料収入は、単独で会計処理を行い、当該単位の収入に計上するものとします。当該手数料は、「三代」業務に直接関連する管理費用、すなわち事務用設備、人件費、情報化(IT)構築、消耗品、交通費等の支出に充当されるものとします。これらの支出について、国家により支出基準が定められている場合には当該基準を厳格に遵守し、支出基準が定められていない場合には、当地の物価水準および市場価格を参照して、必要に応じて支出するものとします。また、単位が取得した「三代」手数料および当該手数料の使用については、関係法令の規定に従って実施されるものとします。


(四)監督管理

1.各級の財政部門および税務部門ならびにその職員が、「三代」税金手数料の予算編成、配分調整、決算等の承認業務において、予算・決算の不正な編成または承認「三代」税金手数料項目資金の不正な管理等の行為を行った場合、またはその他職権乱用、職務懈怠、えこひいき等の違法・規律違反行為があった場合には、『中華人民共和国予算法』、『中華人民共和国公務員法』、『中華人民共和国行政監察法』、『財政違法行為処罰処分条例』等の国家の関係規定に基づき、相応の責任が追及されます。犯罪行為の疑いがある場合には、司法機関に移送して処理されます。また、上記の違法または不正行為の存在が確認された税務機関に対しては、財政部および上級税務機関が、関係規定に基づき、翌年度の経費予算を減額することができます。


2.国家税務総局は、各級の税務機関における経費の使用および管理状況に対する検査および監査を強化するとともに、監査署等の関係部門による監督・検査を受け入れるものとします。


3.法律または行政法規に別段の定めがある場合を除き、各級の税務機関は、税金から直接手数料を控除したり、国庫からの払戻手続を行ったりしてはなりません。また、各級の国庫は、「三代」税金手数料に係る払戻処理を行ってはなりません






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