【個人所得税】KOLインフルエンサーなどの個人への支払い、『労務報酬』の税金とは?⑦

更新日:2021年8月25日

中国販路拡大コンサルタントをしている太田早紀です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。

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【個人所得税】KOLインフルエンサーなどの個人への支払い、『労務報酬』の税金とは?⑦


 中国法人による個人への業務委託のうち、ここ数年のSNSマーケティングの発展もあり、インフルエンサーへの業務委託が増えています

※インフルエンサー:中国ではKOL(Key Opinion Leader)といいます。



 そこで、個人に業務を委託する際の税金(『労務報酬』の税金)について、上海市税務総局による解説も交えて、解説いたします。



目次:
1、労務報酬の概念
2給与賃金と労務報酬の大きな違いとは?
3、労務報酬と経営所得の区別
4、同一の役務項目で連続性があるとき 
5、労務報酬所得・原稿執筆料所得・特許権使用料所得の個人所得税額計算
6、非居住者個人が取得する労務報酬所得の計算方法
7、例を挙げての計算方法の紹介


7、例を挙げての計算方法の紹介


  • 居住者個人の労務報酬所得について

【背景】

小王さんは会社の従業員、休暇を利用し他社の設計デザイン業を請負い報酬3,000元を得た。



【計算】

  1. スポット単位或いは月次単位の収入が4,000元以下・・・控除可能費用額は一律800 元

  2. 下表(個人所得税源泉徴収率表二)を適用します。


個人所得税額=(3,000-800)×20%=440元



個人所得税は源泉徴収義務者である他社が徴収し申告納税します。

小王さんの方では、個人所得税の確定申告を行うことになります。

(確定申告についてはこちらの記事をご参照ください。)




  • 居住者個人の原稿執筆所得について

【背景】

中王さんは会社の従業員、休暇を利用し旅行関連の原稿を執筆し報酬10,000元を得た。



【計算】

  1. スポット単位或いは月次単位の収入が4,000元超・・・控除可能費用額は収入の20%

  2. 収入から費用を控除した残額から更に70%を乗じて算出する。

  3. 原稿執筆料所得は20%の源泉徴収税率を適用します。



個人所得税額=10,000×(1-20%)×20%×(1-30%)=1,120元



個人所得税は源泉徴収義務者である他社が徴収し申告納税します。

中王さんの方では、個人所得税の確定申告を行うことになります。

(確定申告についてはこちらの記事をご参照ください。)



  • 非居住者個人の特許権使用料所得

【背景】

老王さんは中国国内に住所がなく、訪中時に某会社に自身が所有する特許権の使用を許可し、特許権使用料所得20,000元を得た。



【計算】

  1. スポット単位或いは月次単位の収入に20%を乗じた額を控除可能費用額とします。