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【企業所得税】研究開発費の加算控除(減算調整)③

更新日:2021年8月24日

中国販路拡大コンサルタントをしている太田早紀です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。


当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。

 
【企業所得税】研究開発費の加算控除(減算調整)③


 上海市税務総局のWeChat公式アカウントに、研究開発費の加算控除(減算調整)に関する記事がありましたので、弊社の方で説明を少し加えた上で紹介いたします。



 20年度の会計監査も終わり、法人確定申告の準備にそろそろ取り掛かる企業様もいらっしゃるかと存じます。とりわけ研究開発費がある企業様にはご覧いただけると幸いです。



 また、2021年以降、中国政府は国内の研究活動の更なる増強のため、研究開発費の加算控除(減算調整)枠を現在の75%から100%へ増加させる方針もあるようです。



 さて、【国外に研究開発を委託した場合の研究開発費に関する特殊規定について】以下の通り規定しています。



■政策


1、国外に研究開発活動を委託し発生した費用は、実際発生額の80%を委託者の委託国外研究開発費として計上することができる

2、委託国外研究開発費のうち、国内で条件に一致する研究開発費用の3分の2を超えない金額が、規定に基づき企業所得税の加算控除として算入できる。

3、委託国外研究開発費の実際発生額は、『独立企業間原則』に基づき認識しなければならない。

4、委託者と受託者が関係会社の場合、受託者は委託者に研究開発項目費用の支出明細書を提供しなければならない。

5、国外に研究開発活動を委託する場合は、技術開発契約書を締結しなければならず、尚且つ委託者は科技行政主管部門にて登記しなければならない。



■事例


【背景】

C科技企業の2020年度における、

国内で発生し尚且つ規定に一致し控除可能な研究開発費用:300万元

国外に研究開発活動を委託し発生した実際費用(独立企業間原則に一致、関連登記済み、尚且つ受託者は費用支出明細書を提供済み):300万元



【ステップ1:委託者の委託国外研究開発費用について試算】

②国外に研究開発活動を委託し発生した実際費用300万元×80%=240万元



【ステップ2:委託国外研究開発費のうち、加算控除の限度額について試算】

①国内で発生し尚且つ規定に一致し控除可能な研究開発費用300万元×2/3=200万元



【ステップ3:C科技企業の委託国外研究開発費用に対して加算控除政策を適用した場合の金額を試算】

上述政策の1と2より、200万元になります。



【ステップ4:C科技企業の研究開発費の加算控除額の試算】

①国内で発生し尚且つ規定に一致し控除可能な研究開発費用300万元

 +

ステップ3より委託国外研究開発費用に対して加算控除政策を適用した場合の金額200万元

=500万元


500万元×75%=375万元



■関連政策について

1、『財政部 国家税務総局 科技部 研究開発費用の加算控除政策の完全化に関する通知』(財税【2015】119号)

2、『国家税務総局 企業の研究開発費用の加算控除政策の関連問題に関する公告』(国家税務総局公告2015年第97号)

3、『国家税務総局 研究開発費用の加算控除の集計範囲関連問題に関する公告』(国家税務総局2017年第40号)

4、『財政部 税務総局 科技部 企業の委託国外研究開発費用の加算控除関連政策問題に関する通知』(財税【2018】64号)

5、『財政部 税務総局 科技部 研究開発費用の加算控除割合増加に関する通知』(財税【2018】99号)

6、『国家税務総局 修正後公布した「企業所得税優遇政策項目の手続方法」に関する公告』(国家税務総局2018年第23号)

 


 

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