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【企業所得税】研究開発費の加算控除(減算調整)①

更新日:2021年8月24日

中国販路拡大コンサルタントをしている太田早紀です。

当ブログでは中国の会計・税務・労務に関する規定や実務について解説しております。


当ブログをご覧の皆様におかれましては、中国の会計・税務・労務について知り、中国子会社の財務面のサポートや中国での販路拡大にお役立ていただけると幸いです。

 
【企業所得税】研究開発費の加算控除(減算調整)①


 上海市税務総局のWeChat公式アカウントに、研究開発費の加算控除(減算調整)に関する記事がありましたので、弊社の方で説明を少し加えた上で紹介いたします。



 20年度の会計監査も終わり、法人確定申告の準備にそろそろ取り掛かる企業様もいらっしゃるかと存じます。とりわけ研究開発費がある企業様にはご覧いただけると幸いです。



 また、2021年以降、中国政府は国内の研究活動の更なる増強のため、研究開発費の加算控除(減算調整)枠を現在の75%から100%へ増加させる方針もあるようです。



 それでは、政策の内容につきましては以下をご確認ください。




【政策】

 適用期間:2018年1月1日から2020年12月31日まで



内容:

 ①企業の研究活動において、実際に発生した研究開発費を、無形資産の形成ではなく、当期の損益に計上した場合・・・

規定に基づき実際に控除した額をベースに75%を乗じた金額が加算控除(減算調整)できます



 上述の規定のままでは少し分かりにくいので、補足説明を加えると以下になります。



1・・・税前利益(中国では『利益総額』)の算出時

 企業に実際に発生した研究開発費を損金として算入します。この時、損金として認められず、損金不算入となった金額は含みません。



2・・・税前利益(『利益総額』)の算出後、

 減算調整や加算調整を行い課税所得額を算出します。

この時、今回のテーマである実際に発生した研究開発費の加算控除(減算調整)を行います。実際に発生した研究開発費とは上述1の研究開発費を指します。



 課税所得額の加算控除(減算調整)のため、確定申告書に直接記入します。

これによる会計仕訳は発生しません。



【例】

 A科学技術企業の研究センターで、2020年に発生した、規定に基づき控除(減算調整)可能な研究開発費は100万元である。

研究開発費用の加算控除額=100万元×75%=75万元になります。



②無形資産を形成した場合は・・・

 上述の期間に、無形資産の取得原価の175%で償却期間に基づいて償却し控除(減算調整)することができます。



■関連政策について

1、『財政部 国家税務総局 科技部 研究開発費用の加算控除政策の完全化に関する通知』(財税【2015】119号)

2、『国家税務総局 企業の研究開発費用の加算控除政策の関連問題に関する公告』(国家税務総局公告2015年第97号)

3、『国家税務総局 研究開発費用の加算控除の集計範囲関連問題に関する公告』(国家税務総局2017年第40号)

4、『財政部 税務総局 科技部 企業の委託国外研究開発費用の加算控除関連政策問題に関する通知』(財税【2018】64号)

5、『財政部 税務総局 科技部 研究開発費用の加算控除割合増加に関する通知』(財税【2018】99号)

6、『国家税務総局 修正後公布した「企業所得税優遇政策項目の手続方法」に関する公告』(国家税務総局2018年第23号)


 

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